お役立ち情報:ニトロソアミン類リスク評価の国内対応期限延長
国内における医薬品のニトロアミン類リスク評価については、厚生労働省より以下の通知が出されています。
- 医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について(令和3年10月8日)
- 「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」に関する質疑応答集(Q&A)について(令和4年12月22日)
- 『「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」に関する質疑応答集(Q&A)について』の一部改正について(令和5年8月4日)
通知の中で、ニトロソアミン類の混入リスクを評価すること、混入リスクのある品目について、ニトロソアミン類の含有量を測定し、限度値を超えるニトロソアミン類の混入が確認された品目については、規格値の設定、ニトロソアミン類の量を低減するための製造方法の変更等のリスク低減措置が求められています。
これらの対応期限は、令和6年(2024年)10月31日とされていました。
2024年7月30日に、新たに『「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」の実施期限延長について』(医薬薬審発0730第3号 医薬安発0730第1号 医薬監麻発0730第1号 令和6年7月30日)が通知され、対応期限が、令和7年(2025年)8月1日に延長されることが決まりました。
対応期限延長の背景には、ニトロソアミン類の新たな混入・生成ルートとして、医薬品添加剤に含まれる極微量の亜硝酸塩と有効成分等由来のアミン類との反応によりニトロソアミン類が生成するといった知見が得られ、リスク評価の再実施が必要であることが挙げられています。
また、有効成分由来のニトロソアミン類(NDSRIs:Nitrosamine Drug Substance-Related Impurities)では、標準物質の入手も含め測定系の確立に課題が生じている状況もあり、対応期限内のリスク低減措置の実施が困難であることが配慮されています。
2024年4月19日~5月20日に関連業界に対して、「ニトロソアミン自主点検に関する第2回アンケート」が実施されました。
結果概要として、医療用医薬品では混入リスク評価は95%が完了しているものの、実測を行う品目のうち、実測が完了したものは30%に留まっています。
一般用医薬品では、混入リスク評価は91%が完了しているものの、実測を行う品目のうち、実測が完了したものは30%に留まっています。
医療用医薬品、一般用医薬品共に、実測中又はこれから実測する品目が多い状況でした。
これらを踏まえて、先述した対応期限延長が通知されました。
ニトロアミン類リスク評価が必要な医薬品を製造販売する企業の方は、今後の規制動向にも注目しておきましょう。
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