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注目の法規制―USP<621>及びUSP<1220>の概要を解説

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ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(2023Spring号)」が発行されました。

ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティクス・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。

世界61カ国に900以上のグループラボがあり、グループ法人数は1,000社を超え、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間45,000万件を超える試験を実施しています(20233月現在)。

 

医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスの中のEurofins BioPharma Product Testingが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。

 

バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、定期的にニュースレターを発行しています。

2023Spring号より、以下2つの技術情報をピックアップして紹介します。

  1. ウイルスクリアランス試験を計画するにあたり検討すべきこと
  2. 注目の法規制―USP<621>及びUSP<1220>の概要を解説

 

本技術コラムでは、「注目の法規制―USP<621>及びUSP<1220>の概要を解説」を紹介します。

 

USP<621>及びUSP<1220>の概要

 

公定書は業界の動向に合わせ、世界的な規制慣行と調和させるために、定期的に改正されます。

これらの変更が行われる前に最新情報を常に把握し、必要に応じて適用できるようにしておくことが、医薬品の試験を実施するラボにとって非常に重要です。

Eurofins BioPharma Product Testing(以降、Eurofins BPT)では、公定書の改正のモニタリングに継続的に取り組んでいます。

Eurofins BPTは、常に変更に備えており、改正又は新しいガイダンスが発効された場合にも完全な遵守が維持できるよう努めています。

2022年に、米国薬局方(USP)では2つの重要な一般章(General Chapter)が改正されました。Eurofins BPTは、影響を受けるすべての試験領域で、これらの改訂に迅速に対応できるように十分な対策を講じていました。

 

202251日に、一般章<1220>分析手順のライフサイクルが発効されました。

この章では、分析手順のライフサイクル全体にわたって実施されるバリデーション活動を総合的に検討し、提案されたガイダンスを実施するためのフレームワークを提供しています。

この章には、ICHガイドラインに記載されているクオリティ・バイ・デザインの概念が織り込まれています。<1220>では、分析手法のライフサイクル管理に対する全体的なアプローチには3つのステージがあります。

 

ステージ1

被験物質の望ましい分析法目標プロファイル(ATPAnalytical Target Profile)に基づく手順の開発と最適化についてです。

このステージでは、頑健性と分析手順の設計領域(MODRMethod Operable Design Region)を確立するために、実験計画法(DOEDesign of Experiments)と適切なリスク評価が含まれる場合があります。

 

ステージ2

手順の性能適格性評価は手順が意図された目的に適していることを証明するために設計された試験で構成されています。すなわち、従来のバリデーション、実証、及び技術移転試験を通じて、報告可能な値がATP基準を満たしていることを確認します。

 

ステージ3

継続的な手順の性能検証(OPPVOngoing Procedure Performance Verification)には、ルーティン使用における分析手順のモニタリングおよび性能がATP基準を継続して満たしていることの確認が含まれます。モニタリングにより、手順の性能が、その有効である期間全体を通して許容レベルに維持されることを保証します。

 

Eurofins BPTには、バリデーション、適格性評価、技術移転、及び実証作業へのアプローチについて記載された頑健で確立された標準業務手順書 (SOPStandard Operating Procedure) がすでにあります。

さらに、お客様には、確立した重要業績評価指数(KPI)の報告に基づいて、システム/試験法の性能をモニタリングし、傾向を把握するためのガイドライン及び追跡ツールが用意されています。

この章の改正が公表されると、手順のライフサイクル管理に関する、提案されたガイドラインのさらなる統合化の計画を強化するために、業界の要求事項をモニタリングし、ステークホルダーの意見を収集するための社内チームが発足されました。

1220>に示されている現行のガイダンスは任意ですが、Eurofins BPTでは、特に製剤、バルク原薬、及び原薬の場合には、この章の内容をベストプラクティスとみなしています。

実施範囲は、評価する品質特性の重要性に基づきます。

Eurofins BPTは、このガイダンスと全体的なポリシーの整合性とりながらも、その一方で、お客様の固有の要件に柔軟に対応し、必要に応じてカスタマイズしたアプローチの開発ができるよう努めています。

 

一般章<621>クロマトグラフィーの改正は、2022年12月1日に発効されました。

この章は、共通パラメーターの一般的な手順、定義、及び一般的なパラメーターの計算、並びにシステム適合性に関する様々な要件が記載されています。

この改正に備えて、代表する分析部門の専門家委員会がこの章の更新内容を精査しました。その結果、詳細な連絡情報が作成され、改正した章の発効日に先立って11月に、すべての既存のお客様に配布しました。

この連絡情報は、関連する業界関係者や社内の対象分野の専門家(SMESubject Matter Expert)から収集した情報に基づいており、現行の確立されたクロマトグラフィー試験への影響を最小限に抑えながら、新しい計算と基準に準拠した当社の戦略の概要を示しています。

 

また、Eurofins BPTのチームはUPSと綿密に連携して、これらの章の改正後に適合性基準を満たさない試験に対する解決策を提案しています。

Eurofins BPTは<621>の遅れている部分について先を見越して検討し、必要に応じてUSPにフィードバックを提供しています。

USPのメンバーが20233月初旬にEurofins BPTの施設を訪問し、Eurofins BPTのチームの専門家が将来の改正のための見識を提供するため、審議に参加するよう要請されました。この協働により、受託試験施設の視点に立った、一般章改正のスムーズな実施が確かなものとなります。

 

原文は、Regulatory Spotlight - Compendia Updates: USP <621> and USP <1220>をご覧ください。

 

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