細胞培養における酸化ストレス:成⻑因子を最⼤限に活⽤する
ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(2023年10月号)」が発行されました。
ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティック・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。
世界61カ国に900以上のグループラボがあり、グループ法人数は1,000社を超え、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間4億5,000万件を超える試験を実施しています(2023年3月現在)。
医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。
バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、定期的にニュースレターを発行しています。
2023年10月号のうち、以下3つの技術情報を紹介しています。
- 細胞培養における酸化ストレス:成⻑因子を最⼤限に活⽤する
- マイコプラズマ同等性検証のための包括的な試験によるソリューション
- 吸⼊製品試験の最前線に立つユーロフィンBPT Les Ulis
本技術コラムでは、「細胞培養における酸化ストレス:成⻑因子を最⼤限に活⽤する」を紹介します。
著者:Andrew D. Schaefer, MBA, Manager of Analytical Method Development & Validation, Biopharmaceutical Raw Materials, Eurofins BioPharma Product Testing
細胞及び遺伝子治療(CGT:Cell and gene therapies)は最も急速に成⻑しているモダリティーの1つであり、 Eurofins BioPharma Product Testing(EBPT)原材料ネットワークのラボは、この分野でお客様が直⾯している課題を痛感しています。
この業界の取り組みを支援するため、EBPT原材料CGTチームは、パートナーや薬局⽅との協力に専⾨知識と時間を費やし、独⾃の問題を解決するための新しい試験基準と⾰新的なアプローチを開発してきました。
原材料チームは、公定書の新しい章をサポートするだけでなく、「インターロイキン2の安定性の細胞培養応⽤に関する研究」をAmerican Journal of Analytical Chemistryに、「N‑アセチル‑L‑システイン及びN,N'‑ジアセチル‑L‑シスチンの安定性」についてCell & Gene Therapy Insightsに発表しました。
「細胞培養培地中のインスリンの安定性に対するEDTA とセレナイトの影響」と題されたこの取り組みの第3弾が最近、 International Journal of Biochemistry Advancesに掲載されました。
この最新の研究では、2つの⼀般的な細胞培養サプリメントであるエデト酸⼆ナトリウム (EDTA)と亜セレン酸ナトリウム(Se)、及びそれらが遍在するペプチドホルモンであるインスリンの安定性に及ぼす影響を調査しました。
典型的なダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)とロズウェルパーク記念研究所(RPMI) 1640培地をモデルにして、EDTAとSeの抗酸化作⽤とラジカル捕捉作⽤が培地中の過酸化物のレベルを下げるかどうかを探求しました。
興味深いことに、この研究では、以前の⽂献で抗酸化特性が報告されていたにもかかわらず、Se が培地中の過酸化物レベルを改善しないことが判明しました。
この現象に対する仮説的なメカニズムが提唱され、その研究では、培地中の過酸化物を減らし、それによって細胞の酸化ストレスを軽減するための提案されたサプリメントレベルが示されています。
ペンシルバニア州ランカスターの EBPT 原材料ラボは、世界最⼤の単⼀原材料ラボの1つであり、北米や海外のラボネットワークも活⽤して、CGT のお客様と従来の製造業者に、迅速かつ信頼性が高い品質試験を提供しています。
EBPTは、化学、生化学、微生物学、ウイルスをカバーする、完全にGMPに準拠した原材料試験のワンストップサービスを提供しています。
EBPT の公定書モノグラフの試験サービスでは、業界最⼤規模のターンキーQCテストを提供しており、スタッフが昼夜を問わずサンプル準備を交代で行っています。
専任の科学者グループが様々な試験法開発とバリデーションのニーズにお応えし、公定書に準拠していない原材料の試験法については、可能な限り迅速にお客様の原材料のGMP に準拠した品質試験ができるように設計された 80以上のプラットフォームの試験法を活⽤して対応しています。
さらに詳しい情報は、こちらをご覧ください。
原文は、Oxidative stress in cell culture: getting the most from your growth factorsをご覧ください。
関連コラム
・マイコプラズマ同等性検証のための包括的な試験によるソリューション
・吸⼊製品試験の最前線に立つユーロフィンBPT Les Ulis