BioFire®アッセイはマイコプラズマ検査の結果を3日以内に提供する先導的役割を果たす
ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(2022年FALL号)」が発行されました。
ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティック・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。
世界59カ国に940以上のグループラボがあり、グループ法人数は1,000社を超え、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間4億5,000万件を超える試験を実施しています(2023年1月現在)。
医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。
バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、年3回ニュースレターを発行しています。
2022年FALL号では、以下5つの技術情報を紹介しています。
一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。
- 低分子医薬品の分析試験から次世代の生物学的製剤も円滑にサポート
- EBPT San Diego(サンディエゴ)は他の米国の拠点と連携してセルベースバイオアッセイのサービスを提供
- 細胞生存と細胞ポテンシーアッセイを対象とした、新しい原材料のセルベースサービス
- BioFire®アッセイはマイコプラズマ検査の結果を3日以内に提供する先導的役割を果たす
- Microの新しいBruker MALDIは、10,000種類の細菌と酵母の微生物登録があるデータベースを用いて微生物同定を高速化
本技術コラムでは、「4.BioFire®アッセイはマイコプラズマ検査の結果を3日以内に提供する先導的役割を果たす」を紹介します。
細胞培養や生物由来製品のマイコプラズマによる汚染は、生物学的及びバイオ医薬品の製造で懸念されます。
マイコプラズマによる汚染は、最終製品に多種多様な影響を及ぼします。
そのため、規制ガイダンスでは、哺乳動物細胞培養が用いられて製造される製品にマイコプラズマが存在するかどうかを試験するよう求めています。
マイコプラズマの従来の公定書に収載されている試験には、直接培養法と指標細胞染色法があります。
これらの方法はいずれもマイコプラズマ検出のゴールドスタンダードですが、直接法では完了するまで28日を要するため、結果が得られるタイミングが新しい自家細胞療法には適していません。
マイコプラズマの存在の有無を調べる核酸技術(Nucleic Acid Technology:NAT)アッセイの出現により、分析時間が1週間以内に短縮されました。
現在、MycoSEQ™アッセイは公定規格の検出限界をすべて満たしています。
これはPCRベースの方法を用いるため、阻害が生じるリスクがあります。Myco-SEQ™アッセイは、対象がDNAであり、その半減期のため、得られる結果は生菌のみを示しているわけではありません。
このアッセイは微生物学的アッセイよりも迅速ですが、サンプル調製、DNA抽出、PCRプレーティングから分析まで多くのステップがあります。これらの多くのステップを最小限にする方法として、ユーロフィンでは新しいカートリッジベースのプラットフォームを提供する予定です。
BioFire®アッセイは、核酸抽出、PCRプレーティング及び分析を1つのカートリッジで行なうことができます。ステップ数を減らすことで、試験の開始から完了までの時間も短縮することができます。
このシステムは、DNAよりも半減期が短いRNAも対象としています。RNAは生菌のみが産生し、増幅により高濃度で存在する可能性があるため、RNAを対象にすることにより、生菌の検出確率が著しく高まります。これにより、生菌を検出できる可能性が高くなり、NAT法は公定書に対応できます。
自家細胞療法の出現により、検査時間が重要となりました。
BioFire®システムでは、マイコプラズマ検査の結果は3日以内に得られます。スケジュールが非常に厳しい場合には、24時間で結果を出すことも可能です。
原文は、BioFire® assay blazes path to delivering mycoplasma results within three days or lessをご覧ください。
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