Eurofins Viracor(米国)は、プレシジョン・オンコロジー(精密腫瘍学)をターゲットに、新しいがんゲノムプロファイリング試験であるPanCancerIQのサービス提供を開始
ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(2021年10月号)」が発行されました。
ユーロフィングループは、食品・環境・医薬品に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。世界50カ国に900以上のグループラボがあり、200,000通りにも及ぶ分析項目・手法を取り扱っています。
医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。
バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、年3回ニュースレターを発行しています。
2021年10月号では、以下6つの技術情報を紹介しています。
一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。
- Eurofins Viracor(米国)は、プレシジョン・オンコロジー(精密腫瘍学)をターゲットに、新しいがんゲノムプロファイリング試験であるPanCancerIQのサービス提供を開始
- アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)
- 欧州医療機器規則(MDR)Article 15: Person responsible for regulatory complianceを解説
- 粉末特性評価における粒子径分布と熱分析技術
- 生物学的製剤のハイスループット糖鎖プロファイリングサービスのメリット
- 米国空軍は診断用オリゴヌクレオチドの生産量増強のため、EurofinsGenomics ネットワークと契約
本技術コラムでは、「1.Eurofins Viracor (米)は、プレシジョン・オンコロジー(精密腫瘍学)をターゲットに、新しいがんゲノムプロファイリング試験であるPanCancerIQのサービス提供を開始」を紹介します。
この10年間で、オンコロジーの分野は著しい変化を遂げ、ゲノム変異に基づくプレシジョンメディシンへの関心が高まっています。
それゆえ、分子バイオマーカーは、腫瘍の診断と予後を知らせるだけではなく、日常診療の治療決定を導き、がんに対する標的治療薬開発の臨床試験デザインを具体化するための基本となります。
プレシジョンメディシンの研究は、次世代シーケンシング(NGS:Next Generation Sequencing)技術の導入やゲノミクスの科学的発見を加速するバイオインフォマティクスの進歩など、いくつかの要因によって急速に普及しています。
包括的なゲノム分析が臨床および研究の場で利用されることが多くなるにつれて、プレシジョンメディシンとゲノムプロファイリングの導入はプレシジョン・オンコロジーの分野に革命をもたらしています。
NGSベースのアプローチは、基礎研究や標的の特定から臨床試験に至るまでの創薬プロセスのすべての段階に役立ちます。新しいEurofins Viracor PanCancerIQ™のNGSベースゲノムプロファイリングサービスは、Illumina TruSight Oncology 500™(TSO)技術を利用して腫瘍サンプルのゲノム異常を同定します。
より具体的に言えば、これは523種類の遺伝子パネルについて報告する包括的なゲノムプロファイリングサービスであり、がんの増殖を促すことが知られている4つの主要なクラス(変異、挿入と欠失[インデル]、コピー数変異[CNV]、および融合遺伝子)の変化の特定をサポートします。
それゆえ、連続的で単一のバイオマーカー分析と比べ、より効率的で、費用と用いる組織量を節約できる腫瘍分析が可能です。このタイプのより広範なゲノム分析は、既知の遺伝子に存在するアクショナブル変異の先を見ることもでき、治療に対する獲得耐性に関する洞察を提供し、可能性のある相乗的な薬剤の組み合わせを示唆する可能性があります。
Eurofins Viracorは、この新しいサービスを追加することで、オンコロジー領域の臨床試験検査における実績を広げています。
Viracorの広範な分析検査ソリューションと組み合わせたPanCancerIQは、ゲノム情報に基づく試験において患者募集のためのスクリーニングを行い、現在、バイオ医薬品パイプラインにある新薬に対する耐性や反応の可能性のある新たなマーカーを明らかにし、再発または転移時の腫瘍の分子進化をモニタリングすることで、プレシジョン・オンコロジー研究を加速させるのに役立ちます。
新しいPanCancerIQパネルは、2021年後半にリキッドバイオプシー(cfDNA:Cell-free DNA)にも提供する予定であり、組織生検の選択肢がないかもしれない研究に可能性を与えることでバイオ医薬品業界のお客様のため、Eurofins Viracorのオンコロジーポートフォリオを拡大します。
原文(英語)は、Eurofins Viracor targets precision oncology with the launch of PanCancerIQをご覧ください。
ニュースレター(2021年10月号)のその他の記事は、下記よりご覧ください。
- アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)
- 欧州医療機器規則(MDR)Article 15: Person responsible for regulatory complianceを解説
- 粉末特性評価における粒子径分布と熱分析技術
- 生物学的製剤のハイスループット糖鎖プロファイリングサービスのメリット
- 米国空軍は診断用オリゴヌクレオチドの生産量増強のため、EurofinsGenomics ネットワークと契約