ガスクロマトグラフ質量分析
ガスクロマトグラフ質量分析
(GC-MS: Gas Chromatography-Mass Spectrometer)
GC-MSは有機化合物の定性・定量 を目的とした分析装置で、ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。多成分、同時分析が可能です。樹脂中(ケーブル被覆など)に可塑剤として含有されるRoHS規制物質のフタル酸エステル4種(DEP,DBP,DEHP,DIBP)をはじめとした、有機物中の微量成分の定量分析が可能です。また、未知試料の定性分析も受託致します。
- 有機物成分を同定できます
- 複数の成分が混在していても同定できます
- 1滴あれば測れます
ガスクロマトグラフ質量分析
多成分、同時分析が可能になっています。まず試料を気化室に注入すると、気体試料はそのまま、液体試料はここで一気に加熱されてガス化し、分離カラムへと流れ込みます。 分離カラム は径0.5mm以下・長さ数10mの管で、一般的なものは内壁に液層が形成されています。混合物は、このカラムを通過することで、単一成分に分離されます。
単一成分に分離されカラムから排出された成分に、例えば加速した電子を衝突させてイオン化させます(電子衝撃イオン化法)。すると、高い内部エネルギーの作用により分子の開裂が発生し、フラグメントイオンが生成されます。 この開裂は成分の構造に特有なパターンで起こるため、マススペクトルを解析することで、定性分析が可能となります。
GC-MS装置仕様
型格 |
項目 |
spec |
---|---|---|
5977B GC/MSD +Gerstel MPS |
質量範囲 |
1.6 ~ 1,050 μ |
質量精度 |
100pg/μL OFN 標準溶液、注入量1μL |
保有設備
- 島津製 GC-2010
- Agilent製 7890B
分析事例 | GC-MS
破断面付着物の成分分析
破断面観察で破断モードがケミカルクラック(脆性破壊の一種)と判明した場合に、破断部に付着した有機物の成分分析を行ってケミカルクラック原因物質を調査します。
破断部に付着した有機物の成分からケミカルクラックの原因になった物質を推定します。
樹脂含有成分の分析事例
GC部で分離すると上図のようなチャートが得られます。通常は1本のピークが1種類の成分を表すため、11成分の含有がわかります。
赤矢印のピークをMS部で分析したのが下図のマススペクトルです。同定解析の結果、Diethyl Phthalate(フタル酸エステル)であることがわかりました。