PCB分析
PCB廃棄物はその濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます。高濃度PCB廃棄物は地域ごとに定められた期限内に処理しなければなりません。
北九州事業エリアでは、すでに高濃度PCB含有の変圧器・コンデンサの処分期日を迎えております。このほか、低濃度PCB廃棄物については2027年3月までに処分または処分委託することが義務付けられています。
重電機器のうち、1990年以前に製造されたトランスやコンデンサ等の絶縁油にはPCB(Poly Chlorinated Biphenyl、ポリ塩化ビフェニル)が含まれている可能性があります。
令和元年12月20日には、無害化処理に係る特定の対象となる一般廃棄物及び産業廃棄物に係る告示(平成18年7月環境省告示第98号)が改正され、PCB濃度が5,000 mg/kgを超え100,000 mg/kg以下の可燃性のPCB汚染物(汚泥、紙くず、塗膜くず等)について無害化処理認定施設での処理が可能となりました。
これに伴い、令和2年10月に関連箇所が更新された「低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)」が発行されました。
・PCBを含む主な用途・製品
- 絶縁油
- 高圧トランス(発電所の変圧器、工場・ビルの受電設備、鉄道車両)
- 高圧コンデンサ
- 低圧トランス、低圧コンデンサ
- 蛍光灯安定器
- 塗膜
- 感圧複写紙(感圧紙)
- シーリング材
【参考】高圧トランス/高圧コンデンサ
・主な分析方法
- 絶縁油中微量PCBに関する簡易測定法マニュアル2.1.2
- 低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)
- 含有量試験
- 紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類(合成樹脂くず、合成ゴムくず等)
- 廃活性炭
- 汚泥
- 塗膜くず
- 廃感圧紙
- 廃シーリング材
- 表面拭き取り試験
- 廃プラスチック
注)含有量5,000 mg/kg以下の低濃度PCB含有廃棄物の判定基準 1 mg/100 cm2以下
1 mg/100 cm2を超える場合は、含有量試験で低濃度PCB含有廃棄物に該当するか(100,000 mg/kg以下)を判定する必要があります。 - 金属くず
- 廃プラスチック
- 表面抽出試験
- 金属くず
- コンクリートくず
注)試料への付着物量が微量である場合はPCB量に関わらす低濃度 PCB 含有廃棄物とみなすことができます。
- 含有量試験
- 特別管理一般廃棄物及び特別管理に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第 192号)
- 拭き取り試験法
- 部材採取試験法
【参考】:拭取風景(拭き取り試験)
・ご依頼の流れ
- ①当社作業員による採取
- ②採取キットによるお客様採取
の2パターンをご用意しています。
1.お見積、お打合せ後、採取に伺います。
※お問い合わせフォームよりお問合せ下さい。
2.ご指定の場所に採取キットをお送りいたします。
※お問い合わせフォームよりお問合せ下さい。
・採取キット内容:採取ビン、スポイト、手袋、サンプル明細書
・採取後、採取ビンとサンプル明細書をご返送下さい。
※採取に使用したスポイトと手袋は分析結果が出るまで保管をお願いいたします。
稼働中の電気機器については、電気主任技術者の立会いが必要です。
PCB検査のための移動は、廃棄物処理法及びPCB特別措置法の適用外です。
【参考】
■日本環境安全事業株式会社(JESCO):http://www.jesconet.co.jp/
■ポリ塩化ビフェニル(PCB)早期処理情報サイト:http://pcb-soukishori.env.go.jp/
・Q&A(よくある質問)
- Q.1:分析にどの程度の油が必要ですか?
5ml程度。採取ビンに半分程度で十分です。
- Q.2:油ではなくグリス状のものや、紙が入っているが分析は可能ですか?
分析可能です。油状のものでない場合も一度お問合せ下さい。
- Q.3:採取後も対象機器の継続使用は可能ですか?
密閉型のコンデンサはドリル等で孔をあけて採取を行います。その後の継続使用は出来ません。
採油孔のあるものについては採取後も継続使用が可能です。なお稼働中の電気機器については、電気主任技術者の立会いのもと停電作業が必要です。
- Q.4:蛍光灯安定器中の絶縁油分析は可能ですか?
対応出来ません。「ポリ塩化ビフェニルが使用された廃安定器の分解又は解体について(通知)」により原則分解又は解体、採油作業は出来ません。
銘板等でPCB使用安定器と判定された機器については原則、高濃度PCB廃棄物として扱います。ただしコンデンサ外付け型安定器については一定の条件のもと分解が可能です。現在JESCOにより廃安定器のPCB使用・不使用の分別が 推奨されております。
コンデンサ外付け型安定器コンデンサ取り外し後の残存部については濃度調査(拭き取り試験)により低濃度PCBと判定された場合は低濃度PCB廃棄物としての処理が可能です。
・その他の情報