PFAS
国内最新PFAS規制状況
2023年12月1日に公示された化審法施行令の一部を改正する政令が本年2024年2月1日に施行となり、PFHxS、その異性体およびそれらの塩が化審法第一種特定化学物質に指定されました。これには直鎖のものおよび分岐鎖を持つものも含まれます。PFHxSを含む製品は6月以降輸入が禁止となります。
PFASとは
PFAS(ペルフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル化合物)とは、フッ素有機化合物であり、PFOS※1、PFOA※2、PFHxSやPFCAなど多くの化学物質を含む人工化学物質群のことを指します。
これらの物質は私たちが日常生活で使用している電化製品、衣類、化粧品等に含まれています。主な用途として、撥水性のあるスプレーや消火剤、また半導体におけるエッチング処理等に使用されており、現在は人体をはじめとした生物への様々な毒性が明らかとなったため、REACH規則や化審法を始めとし、世界中で規制が強まっております。
※1 PFOS=PerFluoroOctaneSulfonic acid(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
撥水剤/紙・布の防汚剤原料/航空機火災等に対応した泡消火剤成分として使用されていました。
※2 PFOA=PerFluoroOctanoic Acid(ペルフルオロオクタン酸)
フライパンのフッ素加工/食品包装紙の撥水剤として使用されていました。
PFASの規制状況について
項目 | 時期 | 規制 | 項目と内容 |
---|---|---|---|
PFOS及びその塩 | 2006年 | 欧州PFOS指令(2006/122/EC) | 最終製品及び半製品への使用が禁止 |
2009年 | ストックホルム条約 (POPs条約) |
定用途(半導体用途など)以外での使用を禁止 | |
2010年 | 化審法 | 第一種特定化学物質に指定 | |
PFOAとその塩 | 2017年 | 欧州REACH規則 | Annex XVIIに追加、製造・使用が禁止されることが決定 |
2019年 | POPs条約 | 廃絶対象物質にすることが決定 | |
2020年 | 欧州POPs規則 | 禁止物質に指定。併せて欧州REACH規則から削除 | |
2021年 | 化審法 | 化審法第一種特定化学物質に指定(関連物質を除く) | |
PFCA(C9-C14), その塩及び関連物質 | 2021年 | 欧州REACH規則 | Annex XVIIにてペルフルオロカルボン酸(C9-C14 PFCA)、それらの塩、及びC9-C14 PFCA関連物質は、2023年2月25日以降、上市またはほとんどの用途での使用を禁止と決定 |
PFAS | 2021年 | SCP規則(米国:カルフォルニア州) | PFASを含むカーペットとラグを優先製品「Priority Product」として採用 |
2021年 | LD 1503(米国:メイン州) | PFASによる汚染防止を目的とした法律発表 | |
PFHxS、その異性体およびそれらの塩 | 2022年 | POPs条約 | 廃絶対象物質にすることが決定 |
2023年 | 欧州POPs規則 | 禁止物質に指定 | |
2024年2月1日 | 化審法 | 第一種特定化学物質に指定 |
弊社の分析サービス内容
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弊社でLC-MS/MS法にて精密分析が可能な項目一覧
項目 | CAS No. | 定量下限値[μg/kg]※ | 対象規制 |
---|---|---|---|
パーフルオロカルボン酸(PFCA) | |||
TFA(C2) | 76-05-1 | 10 | |
PFPrA(C3) | 422-64-0 | 10 | |
PFBA(C4) | 375-22-4 | 10 | |
PFPeA(C5) | 2706-90-3 | 5 | |
PFHxA(C6) | 307-24-4 | 5 | |
PFHpA(C7) | 375-85-9 | 5 | SVHC |
PFOA(C8) | 335-67-1 | 5 | POPs, 化審法 |
PFNA(C9) | 375-95-1 | 5 | REACH, SVHC |
PFDA(C10) | 335-76-2 | 5 | REACH, SVHC |
PFUnA(C11) | 2508-94-8 | 5 | REACH, SVHC |
PFDoA(C12) | 307-55-1 | 5 | REACH |
PFTrDA(C13) | 72629-94-8 | 5 | REACH |
PFTeDA(C14) | 376-06-7 | 5 | REACH |
PFHxDA(C16) | 67905-19-5 | 5 | |
PFODA(C18) | 16517-11-6 | 5 | |
パーフルオロスルホン酸(PFSA) | |||
PFMeS(C1) | 1493-13-6 | 5 | |
PFEtS(C2) | 354-88-1 | 5 | |
PFPrS(C3) | 423-41-6 | 5 | |
PFBS(C4) | 375-73-5 | 5 | SVHC |
PFPeS(C5) | 2706-91-4 | 5 | |
PFHxS(C6) | 355-46-4 | 5 | POPs, 化審法 |
PFHpS(C7) | 375-92-8 | 5 | |
PFOS(C8) | 1763-23-1 | 5 | POPs, 化審法 |
PFDS(C10) | 335-77-3 | 5 | |
PFDoS(12) | 79780-39-5 | 5 | |
その他 | |||
N-EtFOSE | 1691-99-2 | 5 | |
N-MeFOSE | 24448-09-7 | 5 | |
FOSA-1 | 754-91-6 | 5 | |
N-EtFOSA | 4151-50-2 | 5 | |
N-MeFOSA | 31506-32-8 | 5 | |
N-MeFOSAA | 2355-31-9 | 5 | |
N-EtFOSAA | 2991-50-6 | 5 | |
4:2 FTS | 757124-72-4 | 5 | |
6:2 FTS | 27619-97-2 | 5 | |
8:2 FTS | 39108-34-4 | 5 | |
10:2 FTS | 120226-60-0 | 5 | |
HFPO-DA (GenX) | 13252-13-6 | 5 | SVHC |
9Cl-PF3ONS | 73606-19-6 | 5 | |
11Cl-PF3OUds | 83329-89-9 | 5 | |
PFMPA | 377-73-1 | 5 | |
PFMBA | 863090-89-5 | 5 | |
NFDHA | 151772-58-6 | 5 | |
PFEESA | 113507-82-7 | 5 | |
3:3FTCA | 356-02-5 | 5 | |
5:3FTCA | 914637-49-3 | 5 | |
7:3FTCA | 812-70-4 | 5 | |
DONA | 919005-14-4 | 5 |
※サンプルによって変動することがあります。
定量下限値を下げることも可能ですので変更をご希望のお客様はお気軽にご相談ください。
[写真:LC-MS/MS]
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燃焼イオンクロマトグラフ法によるPFASスクリーニング試験
欧州REACH規則やPOPs条約などにおけるPFAS規制は、PFASとその塩に加えて、関連物質の規制値が設定されております。標準品と比較する通常の分析方法ではこの膨大な関連物質をカバーすることは困難です。そこで、弊社では、燃焼イオンクロマトグラフィーを用いたPFAS(総有機フッ素または総フッ素)のスクリーニング分析の実施をご提案しております。この分析において規制値を超える検出がないことを確認することで、各種規制への適合性を確認することが可能となります。また、試験結果から一部の項目について換算した結果※を提供することができます。
項目 | 試験方法 | 定量下限値 [µg/kg] |
---|---|---|
総有機フッ素(AOF) | 溶媒抽出-燃焼IC法 | 1,000 |
※揮発性ではない有機フッ素化合物が対象となります。
欧州REACH規則の包括的PFAS規制案に定められているポリマーを含む総PFASのスクリーニングとして、弊社では総フッ素の含有量50 mg/kg以下を確認するための燃焼イオンクロマトグラフ法による総フッ素分析を提供しております。
項目 | 試験方法 | 定量下限値 [mg/kg] |
---|---|---|
総フッ素 | IEC62321-3-2, 燃焼IC法 | 50 |
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