TSCA
米国では化学物質を規制する米国環境保護局(EPA)という機関により、有害物質規制法(TSCA=Toxic Substances Control Act)が定められております。
この法律の目的は人の健康又は環境への影響の不当なリスクを防止することであり、商業用に米国で製造、加工、または輸入される化学物質(chemical substances)や混合物(mixtures)、混合物を含有する物品(article)の管理・制限が実施されています。
ユーロフィンではPBT物質5種類に対応した試験を実施しております。米国への輸出をご検討のお客様は、”お問い合わせ” フォームよりお気軽にご相談下さい。
PBT対象物質
米国環境保護局(EPA)は、2021年1月に有害物質規制法(TSCA)の第6条(h)に基づき、PBT物質5種類に対する規制を発表しました。
これにより2021年3月8日から段階的に、対象5物質の流通、含有、使用が禁止されております。
物質名 | CAS番号 | 定量下限値 [mg/kg] |
デカブロモジフェニルエーテル (decaBDE) |
1163-19-5 | 10 |
リン酸トリス(イソプロピルフェニル) (PIP (3:1))* |
68937-41-7 | 20 |
2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール (2,4,6-TTBP) |
732-26-3 | 10 |
ペンタクロロチオフェノール(PCTP) | 133-49-3 | 10 |
ヘキサクロロブタジエン(HCBD) | 87-68-3 | 10 |
*リン酸トリス(イソプロピルフェニル)(PIP (3:1))はTPPとモノ~トリ(イソプロフェニル)フェノールの混合物です。
こちらについては、Isopropylated triphenyl phosphate (IPTPP)(CAS 68937-41-7)としての分析、結果の報告となります。
上記5物質の中でも、特にPIP及びPCTPについては、国内の化審法第一類での指定が無いため、含有有無の管理が重要です。
また、EPAは2021年9月3日付で、PIP(3:1)を含有する特定の成形品、および成形品の加工に使われるPIP(3:1)の取扱と販売の規制準拠日を、2022年3月8日まで延期することを通知しました。PIP(3:1)使用成形品の適用分野は非常に広範囲であり、その影響の大きさから準拠日当日に180日間のノーアクション保証(No Action Assurance: NAA)を発行しました。
今回の準拠日1年間延長は、EPAがさらなる検討期間が必要と判断した結果であり、重要な成形品が滞りなく供給されることを保証するためでもあります。但し、今回の準拠日延長はあくまで「長期的な準拠日延長をする追加コメントを得るため」としている点で、今後の検討結果を踏まえてより長期間にわたる準拠日延長がありえることを示唆しています。
最新情報として、2021年10月: PIP (3:1)に適用される遵守期日を2022年3月8日から2024年10月31日まで延長することを提案する規則を公表しました。
詳細な内容に関しましては、 "お問い合わせ" フォームよりお問い合わせください。
その他の情報
TSCA お問い合わせ