HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)
検査概要
子宮頸がんは、その99%以上がHPVの持続感染が原因となって発症するとされ、定期的な検診で早期に発見し、未然に防ぐことができるがんと考えられています。中でも、HPV16型および18型の持続感染は、前がん病変であるCIN3への進行速度がその他の高リスク型HPVに比べて早く、また、日本における子宮頸がんの約6割が16型および18型に起因していることからも、リスクが極めて高いタイプとされています。
2012年3月に子宮頸がんの予防および早期発見に向けて、米国にて発表された米国がん協会(ACS)、米国コルポスコピー・子宮頸部病理学会(ASCCP)および米国臨床病理学会(ASCP)の3団体合同による新しいガイドラインでは、30歳から65歳の女性に対しては、細胞診に加えてHPV
検査を併用することを推奨しており、その結果、細胞に異常が認められなくともHPVが陽性と判定された場合は、直ちに16型および18型の同定検査をおこなうことが認められています。
本検査は、リアルタイムPCR法により、HPV16型および18型の同定と、その他12種類のハイリスク型HPVの一括検出を同時に実施可能な検査です。
検査要領
検査項目 | HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定) |
測定試薬 | コバス4800システムHPV(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社) |
測定方法 | リアルタイムPCR法 |
測定目的 | 16型、18型、その他ハイリスク型 |
所要日数 | 4~6日 |
保険診療区分 | D-023-10 |
保険注釈 | 注 HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、細胞診によりベセスダ分類がASC-USと判定された患者又は過去に区分番号K867に掲げる子宮頸部(腟部)切除術、区分番号K867-3に掲げる子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む。)若しくは区分番号K867-4に掲げる子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療を行った患者に対して行った場合に限り算定する。 |
提出条件
検体 | 婦人科材料(子宮頸部細胞) |
採取容器 | HPV専用バイアル(BDシュアパスバイアルなど) |
保存条件 | 室温1週間、冷蔵2週間 |
HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)の結果報告
HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)報告書に、ハイリスク型として16型、18型をそれぞれ個別判定いたします、その他12種(31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,66,68型)についての型個別の判定報告はいたしません。個別にHPV型判定をご希望の場合は、関連項目の「HPVタイピング解析」で対応いたします。
参考文献
- 三浦 俊昭,他 : 医学と薬学69(1),157~162,2013.
お問い合わせ
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