SIMS|二次イオン質量分析法
分析概略
SIMS(Secondary ion mass spectrometry : 二次イオン質量分析法)は極低濃度のドーパントや不純物を検出する分析手法です。試料表面を一次イオンでスパッタし、スパッタによって放出された二次イオンを四重極型(Quadruple)・磁場型(Sector)等の質量分析計で分離、検出します。SIMSではHを含めた全元素をppm〜pptの感度で深さ方向分析・バルク材料中の各元素の高感度分析を行うことができます。
EAG LaboratoriesはSIMS分析で業界最大の技術力を誇っています。世界最大規模のSIMS所有台数(50台以上)を誇り、7000種類以上の標準試料を所有しています。微量不純物元素に対して正確な濃度定量と高感度な検出下限値を提供しています。また、EAG Laboratoriesが独自開発したPCOR-SIMS(Point by point Corrected SIMS)は化合物半導体の微量元素・組成評価、Shallow B、As、P等の極浅イオン注入(ULE)分布評価などに有効です。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
対象分野
半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙・鉄鋼・先端材料・エネルギー
用途事例
- 薄膜中のドーパント濃度、深さ方向分析
- イオン注入元素濃度、深さ方向分析
- 薄膜中の汚染元素濃度、深さ方向分析
- 薄膜構造解析
- 薄膜の膜厚調査
- 界面汚染調査
- 薄膜組成分析(特定の膜種のみ可能)
- バルク材料に含まれる微量不純物の高感度分析
対象試料の事例
- Si半導体デバイス及び関連材料(SiO2・SiN等)
- 化合物半導体材料・デバイス III-V系 (AlN・GaAs・InP・GaN等)
- SiC及びII-VI系材料 (HgCdTe・ZnSe等)
- 極表面汚染分析(Surface SIMS)
- 極浅接合形成イオン注入深さ方向分析(ULE)
- 太陽電池材料関連(PV-Si・CIG等)
- FPD材料関連(有機EL等)
- 金属薄膜 (Cu膜・Ti膜・W膜・Al膜等)
- 絶縁膜、コーティング膜、各種薄膜
原理/特徴
一次イオン
スパッタリングに用いられる一次イオンは酸素 (O2+) またはセシウム (Cs+)を使用します。検出元素に対するイオンビームの使い分けは下記図をご参照ください。通常2〜20数十umほどに絞った一次イオンビームを四角に走査させて試料をスパッタリングします。走査(ラスター)面積は、通常数100 μm~数10μm角程度です。
二次イオン
スパッタリングにより形成された二次イオンは質量分析系で分離されたのち、ファラデーカップまたはエレクトロンマルチプライヤーで検出します。精度の高い深さ方向分解能を得るため、ラスター領域中心部分(φ30~150um程度)の二次イオンのみが検出されます。
装置構成
質量分析計 |
メリット |
デメリット |
特徴 |
磁場型 |
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四重極型 |
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分析事例
分析に適した試料量/形状
- 形状:推奨10×10mm(厚み0.5~3mm)、最小8×6mm(厚み0.5~3mm)で表面鏡面仕上げ
(上記以外の形状・サイズについても対応可能です、弊社までご相談ください)
ダウンロード
SIMSview|SIMS Data Processing Software
弊社が開発したSIMSデータ処理ソフトウェアです。
SIMS分析結果のデータファイル(拡張子:*.svw)をSIMSviewで表示・データ処理が可能になります。
- XY軸のスケールとデプスプロファイルの色の変更
- テキストの追加
- 複数のプロファイルの重ね合わせ表示
- 重ね合わせた間隔の調整、デプスプロファイルの比較表示
- 線量、面密度、接合深度の計算
- 平均濃度の計算
- 層厚の計算
- 深さ分解能の決定
技術資料
アプリケーションノート PCOR-SIMSによる極低エネルギーBoronイオン注入試料の熱処理後の特性評価 |