GDMS|グロー放電質量分析
分析概略
GDMS(Glow Discharge Mass Spectrometry:グロー放電質量分析) は微量不純物(ppm-ppb wt)の評価に適した手法で、周期表上の安定同位体を持ちガス成分(*)を除くほとんどの元素を同時測定する事ができます。試料は導電性を持つものが好ましいですが、EAG Laboratoriesでは導電性試料だけではなく、半導体・絶縁物を安定に測定できる技術を保有しており、酸化物・窒化物・炭化物の中の不純物分析が可能です。
*ガス成分(水素(H)・炭素(C)・窒素(N)・酸素(O)のバルク分析はIGA分析の併用を推奨します。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
対象分野
半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙・鉄鋼・先端材料・エネルギー・メディカルデバイス
対象試料の事例
- 高純度金属
- 合金
- カーボン及び黒鉛製造品
- 各種半導体材料、パワーデバイス
- 酸化物・炭化物・窒化物・硫化物等のセラミックス
- 太陽電池用シリコン
- レアメタル・レアアース
- 主成分不確定な未知の材料
- 二次電池正極材原材料
原理/特徴
固体試料を陰極としてグロー放電を用いて試料表面をスパッタし、放出された中性粒子をプラズマ内のArや電子との衝突によってイオン化させます。
- 周期律上で安定同位体を持つ殆どの元素(Li-U)の測定が可能
- 多くの元素に対し、ppb-%レベルの測定が可能
- マトリックス効果が小さく、標準試料の無い未知の材料でも定量分析に近い半定量分析が可能
- 粉末、ワイヤー、薄膜等、様々な形態でも補助材料を用いる事で直接測定が可能
- 導電性を確保する事で、半導体材料や絶縁物でも直接測定が可能
装置構成
分析に適した試料量/形状
- 推奨量:約3g以上
- 形状:バルク・粉末・不定形・ピン形状
ピンセル方式
- スパッタ領域全てを見る事が出来るため、バルクとしての試料情報を得るのに適している
ピンセルに適した形状
- 酸化物は試料を固定するためにTaスプーンを使用します。そのため、Taの測定はできません。また、Taスプーンの試料前処理作業が必要になります。
フラットセル方式
- 薄いフイルム状や平らな表面のサンプルに効果的
- 粉末はフラットセルに固定し分析
- 基板上の薄膜も分析可能(最低数umの厚さが必要)
- 深さ方向分析が可能