ICP-MS｜高周波誘導結合プラズマ質量分析

分析概略

ICP-MS（Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry：高周波誘導結合プラズマ質量分析）は溶液を分析する分析手法です。液体試料については直接分析できます。固体試料の場合は酸で溶かし水溶液化したうえで測定します。溶液化された試料をネブライザーで霧化し、誘導結合プラズマ中で試料をプラズマ化させプラズマ中のイオンを測定します。微量元素の測定に向いています。

対象分野

半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙・鉄鋼・先端材料・エネルギー・メディカルデバイス・環境

対象試料の事例

固体試料をICPで測定する場合、硝酸や塩酸などを用いて溶液化する必要があるので、ハロゲン系の測定は一般的には難しいと言われています。また、液体にならない希ガス元素や大気成分の測定も出来ません。

セラミックス・ガラス・アルミナ、BN(窒化ホウ素)・セメントなど
金属・合金・貴金属・鉄鋼・真鍮など
試薬・触媒・工業用水など

検出範囲：ICP

原理/特徴

高周波エネルギーにより発生させたアルゴンの高温プラズマの中心部でネブライザーにより溶液試料をプラズマ化させます。プラズマに含まれるイオンを質量分析し測定します。

質量分析なので同位体の測定が可能
検出下限値が良い（水溶液の場合pptレベルまで測定が可能）

装置構成

分析に適した試料量/形状

推奨量：数g以上
形状：バルク/粉末/不定形/液体