IVA/HR-IVA|封止パッケージの内部蒸気/ガス成分分析
分析概略
IVA(Internal Vapor Analysis:内部蒸気/ガス分析)・HR-IVA(高分解能-IVA)は封止されたパッケージデバイス内の水分量(水蒸気)・主成分ガス・残留ガス成分の相対濃度について、質量分析計を用いて定量分析します。IVA/HR-IVAはMIL規格(MIL-STD-750/883)に準拠して測定を行います。
*再委託サービス:再委託先 Oneida Research Services, Inc. (ORS)
対象分野
半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙
分析詳細 |
IVA分析 |
HR-IVA(高感度IVA)分析 |
測定可能な元素 |
水蒸気・窒素・酸素・アルゴン・二酸化炭素・水素、ヘリウム・フッ化炭素・炭化水素(CH)および主要な有機物をppmレベルで検出可能 (質量範囲:2~150(AMU) |
|
測定可能な内容積 | 0.01cc以上 | 1nl (=1x10-6cc)以上*1atmの窒素ガスを封入したパッケージで測定可能な内容積 |
質量分析計 | 四重極型 (Q-pole) | 飛行時間型 (Time Of Flight (TOF) |
検出感度 | 水蒸気は100ppmv、その他のガス成分は10ppmv以下も検出可能 | |
精度 | 水蒸気:±10%以内(@5,000ppmv) |
対象試料の事例
- 半導体・電子デバイス
- 光デバイス
- MEMS
- 照明
- 医療機器
- プラスチックバック
- ヒートパイプなど
用途事例
- 封止パッケージ内の水分量・封止ガス・残留ガスを分析
原理/特徴
IVAは封止パッケージの残留ガス分析(RGA)やMIL規格の内部ガス分析(Internal Gas Analysis)を発展させた分析技術です。パッケージ試料にパンクチャーピンで穴を空け、内部水蒸気・ガス成分を質量分析を行います。
- MIL規格(MIL-STD-750/883)に対応
- プリベーク処理対応:100℃±5℃、16~24時間(MIL規格準拠時)
- ガラス・Ni系合金(Kovarなど)は標準穴あけ対応
- パッケージの蓋・壁が厚い場合は前処理対応可
試験事例
検出ガス成分 |
熱サイクル試験 |
熱サイクル試験(リファレンス) |
窒素 |
43.3 %v |
43.8 %v |
酸素 |
ND |
ND |
アルゴン |
45%v |
50.9%v |
CO2 |
5%v |
2.08%v |
水蒸気 |
ND |
ND |
水素 |
5.2%v |
1.43%v |
メタン |
1.6%v |
1.81%v |
ND: None Detected
1% = 10,000ppm
- HR-IVA:SMD水晶デバイス(熱サイクル試験前後の比較)
熱サイクル試験前後で、CO2・水素ガス・メタンが増加。樹脂系材料からのアウトガスと推測。