TOF-SIMS|飛行時間型二次イオン質量分析
分析概略
TOF-SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry : 飛行時間型二次イオン質量分析)は、優れた感度で試料の極表面をの全元素分析ができる手法です。特に産業分野における有機異物の同定にはTOF-SIMSは必要不可欠です。半導体製造工程におけるウエハーの表面汚染の原因を特定するために、製造装置のポンプオイルや部品に対するガス汚染の影響などを調査するためにもTOF-SIMSは有効な分析手法です。通常は極表面の分析に用いますが、深さ方向にスパッタリングしながら分析をすることも可能なため、深さ方向分析に用いることも可能です。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
対象分野
半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙・鉄鋼・先端材料・エネルギー・メディカルデバイス
用途事例
- 有機・無機材料の極表面特徴分析
- 表極表面の有機膜・有機汚染の元素・分子の分析
- 表面に存在している物質の面内分布測
- 汚染の定性 (検出下限:ppm)(元素・分子)
- 欠陥・不良測定(粘着性、接着性、コーティング)
- 半導体洗浄工程の評価 (品質保証・品質管理)
- しみ・変色・残渣・曇りの特定
- 毛髪・皮膚への浸透評価(薬剤・化粧品など)
原理/特徴
比較:ダイナミックSIMSとTOF-SIMS
- 極表面の元素・分子分析
- pptレベルの検出加減
- 微小領域測定(最小200nm)
- マッピング分析
- 絶縁体・導電体に対応
- 非破壊(静的モード)
- 深さ方向分析が可能
基本原理:TOF-SIMS(Time-Of -Flight)
分析データ取得イメージ
分析事例
TOF-SIMS:PETの良品・不良品比較 |
TOF-SIMS:フラットパネルTFT上の残渣分析 |
TOF-SIMS:アルカンチオール・Au基板上で形成する自己組織化単分子(生体医療) |
分析に適した試料量/形状
- 試料表面:鏡面