XRD|X線回折法分析
分析概略
XRD(X-ray diffraction : X線回折法分析)は大気中で比較的簡便に分析できるのが大きな特徴です。試料に対しての成約は結晶性があることのみで、粉末・バルク・ウエハー・薄膜に対しても分析が可能です。そのため、不明物質の初期段階の分析に適している場合が多いです。不明物質の初期分析にはSEM-EDSやXRF、XPSなどで、まずは組成を調べるということから着手することが多いのです。しかしXRDでは元素情報以外に結晶状態が分かるため他の分析手法よりも有効である場合が多いです。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
対象分野
半導体・エレクトロニクス・自動車・航空宇宙・鉄鋼・先端材料・エネルギー・メディカルデバイス
用途事例
- 不明物質の同定
- 結晶相同定/定量
- 結晶子サイズ・格子歪の測定
- 結晶方位評価(配向性評価)
- 結晶化度測定
- 結晶性とアモルファスの比率分析
- 微結晶の配向分布(テクスチャ)の測定
- 合金含有量を定量化するための格子定数の決定
- 残留応力測定(結晶性のある試料、圧縮・引張)
- 高温XRD(In-situ(その場観察)
- 化合物の種類の同定
- 同一核種からなる結合構造の解析(例:炭素からなるグラファイト、ダイヤモンド、DLCの区別など)
- 結晶相とアモルファス相の区別と決定
- 原子格子応力やひずみ
原理/特徴
結晶試料中にX線が入射すると、特定の方向に強くX線が回折される現象が生じます。図のような格子面からの回折を考えた場合、A面で回折されたX線とB面で回折されたX線の光路差は2d sinθとなります。この値がX線の波長の整数倍であった場合、回折X線の位相がそろい強い強度のX線が検出されることになります。
- 最大300mm対応
- 歪み評価(結晶の伸び縮みの変化量が測定可能)
- 応力評価(結晶性のある試料)
- 相同定・定性/定量評価
- microXRDは1000~1500umの範囲が分析可能
分析事例
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XRD:TiN薄膜の結晶子サイズのシミュレーション結果 |
XRD:SiGe濃度量変化の測定(異なるプロセスで成膜した異なる試料の内部歪み比較) |
XRD:歯科用セラミックス材料の定量分析 |
分析に適した試料量/形状
- MicroXRDでは最小数mmの範囲から分析可能