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【2024年度版】ヨーロッパ輸出で注意すべきREACH規則のPFAS規制リスト

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投稿日:2024年9月30日

REACH規則とは、ヨーロッパにおける化学物質の登録や制限などを目的とした制度です。REACH規則では、規制対象となる化学物質のリストを作成し、輸入や製造を制限しています。そのため、ヨーロッパの国との取引で輸出入を行っている企業にとっては、必ず理解しておくべき制度の一つでもあります。この記事では、REACH規則の規制対象となっているPFAS(有機フッ素化合物)について詳しく解説します。

 

INDEX

 

 

EUが制定したREACH規則とは

国旗

REACH規則とは、欧州における化学物質の総合的な登録(届出)、評価、認可、制限に係る制度です。人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の維持向上などを目的として、2007年に施行されました。

REACH規則では、対象となる化学物質を下記の4つのカテゴリに分けて規制を行います。

 

  • 登録(Registration)
  • 評価(Evaluation)
  • 認可(Authorization)
  • 制限(Restriction)

 

4つの対処方法

REACH規則で規制されている内容については以下の表をご覧ください。

 

REACH規則の概要
登録(Registration) 新規化学物質か既存化学物質かを問わず、年間の製造輸入量が1 tを超えている化学物質が対象。
製造・輸入事業者は、登録のため欧州物質化学庁にその化学物質の情報を提出。既存化学物質の登録は、事業者当たりの製造・輸入量の程度に応じて登録期限を設定。
評価(Evaluation) 事業者が提出した化学物質安全性報告書(CSR)の内容を行政庁が評価し、必要に応じ、追加試験の実施又は追加情報を事業者に要求。
行政庁は、人の健康や環境に深刻な影響がありそうな高懸念物質(SVHC)で、ばく露があり、事業者当たり年間100 tを超える量が使用される物質から優先的に評価を実施。
認可(Authorization)

 

高懸念物質(SVHC)を使用するには、事業者は、行政庁に申請して認可を得る必要がある。
認可を有する事業者等は、上市前にラベル上に認可番号を記載する必要がある。
制限(Restriction) 行政庁が実施したリスク評価の結果、リスク軽減措置が必要な場合には、製造、上市、使用が制限される。

引用:EUの新たな化学物質規制(REACH規則案)の動向|外務省

 

対象となるもの

REACH規則の対象となるものは、以下の3つです。

 

  • 物質そのもの
  • 調剤中の物質
  • 成形品中の物質

 

調剤とは、2つ以上の物質からなる混合物や溶液のことで、成形品は表面やデザインが化学組成よりも大きく機能する物体のことです。

 

 

REACH規則で規制されるPFASのリスト

現場調査員

 

REACH規則は、附属書Ⅰ〜ⅩⅦの17種類に分けて規制内容や対象物質のリストなどを管理しています。REACH規則では、以下に挙げられる特定のPFASがREACH規則の附属書に該当しており、EU内で輸入や使用などが制限されています。

 

  • PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
  • PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
  • PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)
  • C9~C14 PFCA(ペルフルオロカルボン酸)

 

ここでは、REACH規則で規制されているPFASの中でも、PFOSとPFOAの規制内容について詳しく解説します。

 

PFOSは販売、輸入、使用が禁止に

EUでは、2006年にPFASの一種であるPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)を使用した製品の販売や輸入を禁止する規制が導入されました。これにより、一部の適用除外用途を除いて、EU域内でPFOSを含む製品の販売、輸入、使用が禁止されています。

この上市禁止令の対象となるのは、重量比0.1 g以上のPFOSを含む布地や塗装剤、重量比0.005 %以上含む材料及び調剤です。ただし、フォトレジストや反射防止膜、金属メッキ、航空機用作動油は適用除外用途となっています。

 

PFOAは附属書ⅩⅦに該当

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、REACH規則の附属書ⅩⅦに追加されています。2020年からPFOAとその塩及びPFOA関連物質の使用制限が適用されました。

この規制により、製品にPFOAとその塩を使用する際には、25 ppb未満であることが求められます。また、PFOA関連物質単体又はその組み合わせの場合は約1,000 ppb未満でなければいけません。

 

 

REACH規則の規制リスト項目は増え続けている

近年、REACH規則の規制リストに記載される項目は増加傾向にあります。2023年2月にはECHA(欧州化学品庁)が、約1万種類のPFASを対象とする規制案を受領しました。

この提案では、対象となるPFASの種類が増えるだけでなく、新たに規制対象となる化学物質が追加される点も大きな特徴です。

この規制案では、規制対象が特定の用途に限定したものではなく、代替が困難な用途(エッセンシャルユース)以外は全て制限する旨が記載されている点にも注意が必要です。

 

 

ヨーロッパへ輸出する際はREACH規則の制限物質リストに注意

PFAS関連の製品をヨーロッパへ輸出する際に、特に注意しなければいけない規制がREACH規則です。

ヨーロッパへ輸出する際には、REACH規則の制限物質リストを確認して、適切な対応をする必要があります。

また、2023年にREACH規則の制限提案文書が公表され、将来的に約1万種類のPFASが規制対象となる可能性が指摘されています。

今後もREACH規則の対象物質が増加する可能性があるため、ヨーロッパへ輸出する際にはREACH規則の最新情報に注意しましょう。

 

 

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記事の監修者

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ユーロフィン日本環境株式会社
PFAS MEDIA編集部

PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かして、国内外の様々なPFASにまつわる情報を配信しています。

 

 

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