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FDA(アメリカ食品医薬品局)とは?組織の役割とPFASへの取り組み

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投稿日:2025年3月7日

FDA

FDA(アメリカ食品医薬品局)とは、米国内の医薬品や医療機器の安全性・有効性を確保し、食品・医薬品等のデータの機密性や信頼性を維持することで公衆衛生を保護する役割を担う機関です。

国内に流通している食品や化粧品の正しいリスク評価を行うことで、国民の健康と安全を守っています。

また近年では、経口摂取による化学物質の曝露が問題視されているPFAS(有機フッ素化合物)に対しても対策を講じています。

本記事では、FDAの歴史や活動目的、規制範囲、PFASに対する取り組み事例などを解説します。

 

INDEX

 

FDA(アメリカ食品医薬品局)とは?

アメリカ PFAS

FDA(Food and Drug Administration)は、食品・医薬品・医療機器・化粧品などの安全性を確保し、アメリカにおける公衆衛生の向上を担う機関です。

活動内容は多岐に渡りますが、代表的な活動は下記になります。

 

  • 医薬品や食品の科学的知見の共有・情報発信
  • 医薬品の開発の促進
  • タバコ製品の製造・流通の規制

 

FDAの概要・歴史

FDAは日本の厚生労働省と似たような権限・機能を有する組織であり、厚生労働省よりも長い歴史を持っています。日本の厚生労働省は1938年に誕生しましたが、FDA発足の歴史は1848年まで遡ります。

アメリカは1848年に化学分析を活用して農作物の安全性を監視・確認しており、当初は米国農務省の化学局が役割を担っていました。1930年に安全性の確保に関する責任が現在のFDAに引き継がれています。

また、FDAの働きかけによって1906年に純正食品医薬品法が成立し、消費者の基本的な保護を行えるようになっています。

FDAは現在も発足当初のミッションを掲げつつ、世界情勢・経済・政治・法律などに合わせて柔軟に活動内容を変容させています。

 

FDAの活動目的・規制範囲

FDAは米国民の健康を守るために科学的知見の収集や食品の安全性の確保などを行っています。

FDAの規制範囲は幅広く、主に下記のようなものを規制しています。

 

  • 栄養補助食品
  • 食品添加物
  • 処方薬
  • OTC薬
  • 生物学的製剤
  • 医療機器
  • 放射線を放出する電子機器
  • 化粧品
  • 家畜飼育
  • タバコ
  • 広告

 

日本の薬機法と化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)の役割を合わせたように、医薬品や医療機器から食品、化粧品、タバコ製品まで幅広く規制しています。

また、FDAは幅広い情報を得るために、EFSA(欧州食品安全機関)などの国際的な研究機関と連携するケースもあります。

 

 【関連記事】EFSA(欧州食品安全機関)とは?役割やPFASとの関連性

EFSA

 

 

FDAのPFASに対する取り組み

PFAS 実験

FDAは、世界的に安全性が疑問視され始めているPFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)についての情報収集・安全基準管理などを行っています。

PFASの中でも一部の物質は、POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)で意図的な含有・製造が禁止されているものもあります。米国はPOPs条約を批准していませんが、ヨーロッパや日本と同様に規制強化を進めています。

 

食品に含まれるPFASの検査

PFASに汚染された土壌や水の利用、PFASが含まれる食品包装材を食品に使用する等の行為により、食品中にPFASが入り込む可能性があります。

FDAは食品中の数十種類にわたる低濃度のPFASを測定する検査方法を開発しており、次のような食品に含まれるPFAS濃度を検査しています。

 

  • パン
  • 乳製品
  • 農産物
  • 魚・甲殻類
  • ドレッシングなどの加工食品

 

検査の結果、PFAS含有量が高く、人体に影響を与える可能性があると判断された場合、FDAは食品流通の規制を要請することが可能です。

 

PFASを含むグリース防止物質

FDAは安全性に対して懸念がある物質に対して、食品接触用途で使用できないように規制をかけることも可能です。

例えば、PFASを含むグリース防止物質は、食品接触用途向けに販売されることはなくなったと2024年2月に発表しています。

FDAが懸念を抱く化学物質に対しては米国内での使用を制限できるほどの権限があり、食品に関するPFASの規制に関しては強い影響力があります。

 

ボトルウォーターの安全基準管理

飲料水の安全管理やPFASに関する飲料水規制の法的拘束力の行使などは、基本的にEPA(米国環境保護庁)が行っています。

FDAでは、ボトル入りの飲料水に対して安全基準管理を行っています。ボトル入りの飲料水のCGMPs(現行優良製造規範)を定めており、製造時の注意点や試験などを義務付けています。

例えば、ボトル入り飲料水の処理や輸送は衛生的な状態で行うこと、最終製品や原水に汚染がないか試験すること等の規定を定めています。

 

 

FDAの役割や影響力を理解しましょう

FDAは、食品や医薬品、タバコなど様々な流通品の安全性確保に努めており、米国民の健康を守る役割を担う機関です。

人間の健康に影響を与える恐れがあるPFASに関しても、FDAは積極的に情報収集を行い、規制強化の検討や提案を行っています。

FDAの調査内容は随時公開されているため、PFASに関する情報を収集する際は、合わせて公式の資料やニュースを確認しておきましょう。

 

 

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記事の監修者

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ユーロフィン日本環境株式会社
PFAS MEDIA編集部

PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かして、国内外の様々なPFASにまつわる情報を配信しています。

 

 

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