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フォーエバー・ケミカルの問題点とは?環境・人体への影響を解説

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投稿日:2024年11月21日

フォーエバーケミカル

環境問題や化学物質に関連するニュースなどで「フォーエバー・ケミカル」という言葉を聞く機会が増えました。

フォーエバー・ケミカルは「永遠の化学物質」を意味する通称であり、自然界で分解されにくく、環境や人体に長期間蓄積されやすい性質を持っています。

この記事では、フォーエバー・ケミカルの定義や意味、問題点などについて解説します。

 

INDEX

 

 

フォーエバー・ケミカルとはPFASを含む化学物質を指す言葉

フォーエバー・ケミカルとは、フォーエバー・ケミカルとは、環境や人体への高い蓄積性を持つPFAS(有機フッ素化合物)を表す言葉です。

PFASは炭素とフッ素が強力に結合する性質を持つ化学物質であり、その化学的な安定性の高さから、工業製品の製造から日用品のコーティング剤まで幅広い用途で使用されていました。

現在では人体の健康や環境に及ぼす影響が懸念され、P FASの中でも一部の化学物質は製造と使用が禁止されています。

 

 

フォーエバー・ケミカルは何に使用されている?

フォーエバー・ケミカルでも代表的な化学物質であるPFASは、1万種類以上あります。その中でも環境・人体への影響から取り上げられることが多いのが、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)と、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)です。

この2つの物質に関しては、POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)により、2009年にP FOS、2019年にPFOAの原則的な製造と使用が禁止されています。

現在は別のPFASや代替物質に置き換わっていますが、国際的に規制されているPFAS以外の化学物質の影響についても世界各国で議論が進んでいます。

PFOSとPFOAの使用例については、以下のようなものがあります。

 

化学物質名 主な用途
PFOS 半導体工業、金属メッキ、フォトマスク(半導体、液晶ディスプレイ)、写真工業、泡消火薬剤など
PFOA 繊維、医療、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革、防護服など

 

 

フォーエバー・ケミカルと呼ばれている理由

自然

PFASは化学的に高い安定性を持つため、自然界で分解されにくいという特性を持ちます。

一度環境中に放出されると、長期間にわたり残留して自然界や生態系に大きな影響を与えるため、「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と名づけられました。

報道などにおいては、PFASと並んで使用される機会の多い言葉となっています。

 

 

フォーエバー・ケミカルの問題性

フォーエバー・ケミカルには、難分解性・高蓄積性・長距離移動性という3つの性質があり、一部の化学物質には毒性も確認されていることから国際的に問題視されています。

 

フォーエバー・ケミカルの性質 説明
難分解性 科学的な安定性が高く、自然界では分解されにくい。
高蓄積性 人体や生物の体内に入ると長期間蓄積され続ける。
長距離移動性 大気や土壌、水などを通じて、国をまたいで広く移動する。

 

フォーエバー・ケミカルの環境への影響

フォーエバー・ケミカルは環境に滞留する特徴を持ちます。水に溶け込みやすい性質の化学物質もあるため、土壌や河川に含まれると、水道水や農作物へ吸収される可能性があります。

 

フォーエバー・ケミカルの人体への影響

フォーエバー・ケミカルの中でも人体への影響について研究が進められているのが、PFOSとPFOAです。WHO(世界保健機構)の傘下の機関であるIARC(国際がん研究機関)は、人に対する発がん性の調査を実施しました。その結果、PFOAはグループ1「ヒトに対して発がん性がある」、PFOSはグループ2B「ヒトに対して発がん性の可能性がある」と分類しました。

ただし、この分類では健康に影響を及ぼす具体的な摂取量は明らかになっていません。どの程度の摂取で影響があるのかについては、現在も研究が進められています。

 

 

フォーエバー・ケミカルを巡る規制

パズル

PFASを含むフォーエバー・ケミカルの規制は、アメリカやEU加盟国などの欧米諸国を中心に進んでいます。規制の対象は人体への影響が最も懸念される飲料水のほか、製品製造、食品、環境など幅広い領域が含まれています。

各国が制定した新しい規制に追従するかたちで、国内の化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)が改正されるケースが多くなっています。

また、フォーエバー・ケミカルを巡る規制として2024年に化審法に定められたのが、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の製造・輸入・製品への使用禁止です。PFHxSはPFOS・PFOAの代替物質として使用される機会の多かったPFASですが、研究が進んだことで現在では規制対象物質となっています。

同じくPFOS・PFOAの代替物質として使用されてきたGenX(HFPO-DA) なども世界では議論の対象となっており、今後新しい規制の影響が日本に波及する可能性があります。

 

 

フォーエバー・ケミカルの正しい知識を身につけよう

フォーエバー・ケミカルと呼ばれるPFASは1万種類以上あります。ただし、その中でも環境や人体への影響が懸念されている化学物質は一部であり、なかには環境・人体への影響が低いものもあります。

現状では毒性評価が明らかになっていないPFASも多数存在するので、正しい知識で各国の規制動向や最新の情勢を確認しましょう。

 

 

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ユーロフィン日本環境株式会社
PFAS MEDIA編集部

PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かして、国内外の様々なPFASにまつわる情報を配信しています。

 

 

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