アスベスト主要設備紹介
アスベスト分析に係る設備の紹介
実体顕微鏡 光学顕微鏡の一種です。倍率は比較的低倍率(数10倍程度)ですが、試料をそのままの状態で立体的に観察可能なため、層構造の確認、繊維のピックアップ等に使用します。 |
偏光顕微鏡 光学顕微鏡の一種です。特殊な装置(偏光板)を備えるため、試料の偏光、複屈折特性の観察が可能です。 |
位相差顕微鏡 光学顕微鏡の一種です。位相のズレをコントラストとして検出することでコントラストの乏しい試料を観察可能にします。 |
走査型電子顕微鏡(SEM) 電子顕微鏡の一種です。光源に電子線を使用することにより、光学顕微鏡よりも高倍率での観察が可能です。また、特殊な検出器(EDS)を追加することで試料表面の元素分析を可能にしています。 |
X線回析装置 試料にX線を照射した際、X線が原子の周りにある電子によって散乱、干渉した結果起こる回折を解析することを測定原理とした機器です。未知試料のX線回折パターンを既知アスベストのX線回折パターンと比較することで、アスベストの同定・定量に使用しています。 |
ポンプ 敷地境界、作業環境、建築物内で空気中の繊維状粒子をろ紙に捕集する(サンプリング)ための吸引ポンプです。 |
アスベスト 主要設備について ~日本最大規模の分析機関を目指して~
「検体数が増加すると納期が大幅に延長される」、「注文が込み合っているため納期の変動が大きい」、「そもそもの納期設定が長い」、これらは国内分析機関に特有な問題です。このような分析納期の変動は、主に分析機関のキャパシティが不足している事が原因であり、その結果、お客様の工期の遅れ、強いては、思わぬ費用の増加につながります。
ユーロフィンは、社内都合による納期の変動を徹底的に否定します。ユーロフィンはリーディングカンパニーとして常に時代の一歩先を行くキャパシティを用意していく事が会社としての責務だと考え、今後も安定したサービスを提供し続けてまいります。
LIMS(ラボラトリ情報管理システム) ~設備とITシステムの連携~
「分析の品質を担保するために、設備と優秀な分析技術者を確保する」これは分析機関として必要条件ではありますが、これだけでは不十分だと私達は考えています。分析では、多数の機器を取り扱うため、大量のデータの取り扱い・転記作業が発生します。その過程で、検体の取違い、機器データの読み取りミス、転記ミスなど、至る所に、ケアレスミスが発生する要因が存在しています。このようなケアレスミスはどのように注意深い人でも一定の確率で発生し、優秀な分析技術者だからといって防げるわけではありません。
ユーロフィンでは、トータルの意味で高い分析品質を提供する事が分析機関の責務だと考え、ITシステムによる管理を徹底しています。各工程をバーコード管理する事で工程管理の見える化を実現し、あらゆる分析機器をITシステムに統合することで、分析値の取り込みを自動化しています。更にAIによるデータ解析、ビッグデータによる統計処理など、さらなる分析品質向上への取り組みを強化・実施していく事で、安心を提供してまいります。
オートメーション化紹介
繁雑なアスベスト分析の効率化と精度向上を図るため、当社では分析工程のオートメーション化を推進しております。これにより、従来人の手で行っていた工程が自動化され、作業効率が向上し、ヒューマンエラーによるトラブルも低減することができました。これらにより納期の短縮化が可能になり、お客様へのサービス向上に繋がります。
ろ紙重量自動計量装置(ろ紙ロボ)
ユーロフィン⽇本総研では、X線回折装置による分析に、1⽇当たり数百枚のろ紙を使⽤しています。このろ紙の重量測定における⼀連の作業は繁雑な作業となります。本装置では、ろ紙の取り出し、重量測定、プラスチックケースへの格納、バーコードラベルの作成、ケースの蓋へバーコードラベルの 貼付までを⾏っています。
これにより、ろ紙を使⽤するための繁雑な作業を、⼈の⼿を使うことなく、⾃動化が達成されております。
試料格納装置(マッチングマシン)
ユーロフィン日本総研では、1日当たり数百検体の分析依頼をいただいております。これらの試料は試料調製やX線回折によるスクリーニングを経て、プラスチックケースに入れ保管されますが、試料の集約と保管が繁雑な作業となっていました。
本装置では、
① 受入済み試料
② 試料調製済み試料
③ スクリーニング済み試料
といった状態の異なる①から③の複数の同一試料をそれぞれ投入すると、蓋にそれぞれ貼付されているバーコードを読み取り、格納された複数の同一試料をマッチングさせ1つにまとめて取り出すことができます。
本装置により、試料の保管とマッチングが容易となり、試料の取違いリスクが低減されております。
スクリーニングAI画像判定
ユーロフィン日本総研では、X線回折によるスクリーニングを実施後、スクリーニングチャートのピークから簡易判定を行い、アスベスト分析に有効な情報を得ております。この簡易判定は◎、〇、△、×の4種類で行われますが、作業者による判定のばらつきが発生していました。IT開発と共同でAIによるスクリーニングチャートの画像判定を実用化し、作業者に依らず、多検体を高精度で迅速に自動一括処理することができます。
これにより、顕微鏡、SEM分析の迅速化と難易度分けが可能に、さらに分析データの最終チェックや教育資料等に活用されております。
アスベスト関連情報
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珪藻土製品のアスベスト分析 | 分析依頼方法と 分析結果報告書 |
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その他の分析について