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PFASフリーの調理器具はどのくらいある?製品の特徴や選ぶべき理由

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投稿日:2024年10月日

調理器具

PFASフリー製品の明確な定義は決まっていませんが、一般的にはPFASが含有されていないことが確認された製品のことを指します。

最近では特に調理器具の分野でPFASフリーと表記された製品が増加していることから、PFASフリーの調理器具に対する消費者のニーズが拡大している可能性が考えられます。

本記事では、PFASフリーの調理器具に関する情報や種類、具体的な製品について解説します。

 

INDEX

 

 

PFAS(有機フッ素化合物)とは?

液体

PFASとは、炭素とフッ素から作られた有機フッ素化合物の一種です。炭素鎖の長さが異なる同族体が約1万種類以上もあるとされており、それぞれ物性や有害性が異なります。ここでは、PFASの特徴と健康に及ぼす影響について詳しく解説します。

 

PFASの特徴

PFASは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という3つの特徴を持っています。この特徴により、一度環境に放出されると土壌や大気、水、人の体内などに蓄積し続けることから、別名「永遠の化学物質」とも呼ばれています。

撥水性や撥油性、熱・化学的安定性が高いことから、撥水剤や消火剤などの幅広い製品に広く使用されてきました。

 

PFASが健康に及ぼす影響

PFASが人の健康に及ぼす影響について、2024年6月に食品安全委員会が公開した「有機フッ素化合物(PFAS)評価書(案)」では、以下の影響との関連性が示唆されています。

 

  • 肝臓へダメージがあることを示す血清ALT値の増加
  • 高脂血症の原因にもなる血清総コレステロール値の増加
  • 出生体重の低下
  • ワクチン接種後の抗体応答の低下

 

ただし、血清ALT値の増加及び総コレステロール値の増加については、増加の程度が軽微であることなどの理由から、健康影響のためのエンドポイントとして採用するには証拠不十分だとする見解も示されました。

発がん性に関しては、動物実験において指摘されていますが、人間に対する影響に関しては判断できないとしています。

PFASについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

 

 【関連記事】PFAS(有機フッ素化合物)とは?問題視される理由や具体的な規制を解説

PFASとは

 

 

 

PFASフリーの調理器具とは?

料理風景

PFASに対する消費者の関心が高まる中で、注目されているのがPFASフリー製品です。特に調理器具に関しては、フライパンなどを中心にPFASフリー製品が続々と販売されています。この章では、PFASフリーの調理器具について特徴と具体例を紹介します。

 

PFASフリー製品の特徴と定義

PFASフリー製品とは、PFASを含んでいない製品のことを指しています。しかし、PFASフリー製品の明確な定義はありません。

国内の法律で規制されているPFASのみ使用しない製品をPFASフリーと記載する場合もあれば、1万種類以上存在するPFASの全てを含んでいないものに対してPFASフリーと記載する企業もあります。

販売元の企業やメーカーによって、PFASフリーと記載する製品の定義が微妙に異なるため注意しましょう。PFAS MEDIAでは、以下の条件を満たす製品をPFASフリー製品と定義して紹介しています。

 

PFAS MEDIAの製品中におけるPFASフリー定義
完成した製品・製造工程に、REACH規則・POPs条約・化審法で規制されている9項目と、今後規制されるPFHxAの計10項目が含まれていないこと。
〈10項目〉
PFOA、PFNA、PFDA、PFUnA、PFDoA、PFTrDA、PFTeDA、PFHxS、PFOS、PFHxA

 

PFASフリー調理器具の具体例

PFASフリーと表記している製品の多くは、撥水・撥油コーティングなどで過去にPFASを使用していた経緯がある製品です。調理器具に関しては、以下に挙げたようなPFASフリー製品がよく販売される傾向があります。

 

  • フライパン
  • 炊飯器
  • 使い捨て食器

 

特にフライパンや鍋に関しては、撥水・撥油コーティング剤としてPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が実際に使用されてきた経緯があるため、PFASフリー表記の製品が多い傾向にあります。

 

 

PFASフリー調理器具の代表例

鍋

PFASフリーの調理器具として特に多く流通されている製品がフライパンと鍋です。各製品の特徴や、具体的なPFASフリー製品について見てみましょう。

 

PFASフリーフライパン

過去にはフライパンのコーティング剤として、PFASの一種であるPFOAが使用されてきました。しかし、2021年に改定された化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)により、PFOAを使った製品の製造や輸入等が原則禁止されています。

PFOAの製造に関する規制が施行されてから、主にフライパンのフッ素加工に使用されているのは、PFASの一種であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)です。フッ素加工を施されておらず、比較的安全性の高い製品としては、以下の3つの製品が挙げられます。

 

  • 鉄フライパン
  • セラミックフライパン
  • ガラス製フライパン

 

PFASフリーのフライパンについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

 

 【関連記事】フッ素加工のフライパンは危険?PFAS(有機フッ素化合物)との関係を解説

コンロ上にあるフライパン

 

PFASフリー鍋

PFASはかつて鍋のコーティング剤としても使用されてきました。フライパン同様に、現在は化審法で規制されているため、PFOSやPFOAを使用した製品は製造されていません。

鍋の中でもPFASを含まない製品の一般的な事例としては、以下の3つが挙げられます。

 

  • 鉄製
  • セラミック
  • ホーロー鍋

 

包装容器の脱PFASも推進中

食品に関連する製品としては、食品包装容器の脱PFAS化も推進されています。

かつて米国の大手ファーストフード店で使用されていた包装紙にPFASが含まれていた問題が明らかになり、健康リスクとして注目されました。

PFASへの問題意識の高まりを受けて、各国の企業はPFASを使用しない使い捨て食品包装材への切り替えを宣言しています。

特に米国では規制が強化され、より安全な代替素材の使用が奨励されています。

 

 

PFASフリー調理器具は今後種類が増える可能性も

調理中にフライパンや鍋のコーティングが剥がれ落ちる可能性もあり、料理を介して体内に取り込んでしまうリスクがあるので、調理器具は定期的に買い換える必要があります。
一度体内に入り込んだPFASは排泄されることなく体内に蓄積し続けるため、新たに購入を検討される際は、PFASフリーの調理器具も選択肢の一つにいれてみてはいかがでしょうか。

今後PFASの規制が進むにつれて、調理器具などを扱うメーカーは製品中に含まれるPFASに注意して、より一層消費者が安心できる製品の販売に力を入れることが求められるでしょう。

 

 

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記事の監修者

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ユーロフィン日本環境株式会社
PFAS MEDIA編集部

PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かして、国内外の様々なPFASにまつわる情報を配信しています。

 

 

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