走査電子顕微鏡(SEM - EDX)
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)
表面をシンプルに観察する手法だからこそ、不具合原因究明の糸口を見つける上で極めて有効な手法と言えます。EDX機能つき装置(SEM-EDX:エネルギー分散型蛍光X線分析装置)も保有しており、SEM観察箇所の元素の種類と量・分布の調査を受託致します。
左:SEM JSM-6510LV(日本電子株式会社製) 右:SEM-EDX APERO(FEI製)
動作原理 | SEM, SEM-EDX
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)
細く絞った電子線を真空中で試料上に二次元的に走査し、試料表面から放出される二次電子等の強度を画像として得ます。
- 表面の凹凸を観察できます
- 組成の違いを観察できます
- 微小部を拡大観察できます(数十~数万倍)
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(SEM-EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)
試料に電子線を照射した際に発生する二次電子や反射電子を検出することで像観察を行います。また、同時に表面~深さ1μm程度の領域から発生する特性X線は、元素によって固有のエネルギーを持つため、特性X線の分光スペクトルのピーク位置・強度から元素の種類・量を調査することができます。
- 元素の種類を調査できます
- マッピング分析ができます
- SEM観察ができます
装置仕様 | SEM(走査電子顕微鏡)
型格 |
項目 |
SPEC |
---|---|---|
JSM-6510LV |
空間分解能 |
3.0 nm |
倍率 |
20 ~ 5万倍 |
装置仕様 | SEM-EDX(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)
型格 |
項目 |
SPEC |
---|---|---|
APREO |
分析元素範囲 |
5B~92U |
分析領域 |
おおよそφ1μm~最大2mm×1.5mm |
|
サンプルサイズ |
最大 70mm×70mm×50mmH |
分析事例 | SEM
表面形状観察
コネクタ端子接触不良の調査
摺動箇所の端子接点部の観察・分析
- Niめっきが露出しているが、Oの検出量は少なく酸化の程度は小さい
- Oのマップ中で細長く見えているものは、酸化ではなく繊維状の有機物付着
- Cuの削り屑のようなものが付着している(摺動部で銅は露出していないため相手側端子由来の可能性あり)
破面解析
銅線の断線面の解析
疲労破壊による断線であることがわかります。(右:拡大写真)
ポリプロピレン樹脂の折損面の解析
脆性破壊による折損であることがわかります。(右:拡大写真)
組成観察
塵埃中の金属片探索
塵埃に含まれる金属片を見つけることができます。(金属片は塵埃よりも重いためSEMによる反射電子組成像で明るく表示されます)
めっき膜断面のSEM観察
素材が異なると表示される明るさが異なるため、層構成の把握が容易になります。
高分解能観察
倍率10,000倍以上でのSEM観察も可能です。(ウェブ表示のため、実際に報告時に提出する画像より解像度を落としてあります。)