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ユーロフィンFQL株式会社 >> 故障解析・良品解析 >> 品質リスク検証 - 仕様変更

仕様変更品の構造解析・サイレントチェンジ検証

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 仕様変更品の構造解析

製品に採用している部品の構造、部材、材料成分。 使い始めた当時のものと本当に同じでしょうか?調達先からの生産条件変更の通知なしに、製品の信頼性に影響を与える何かが変わっていませんか?

 

構造解析フロー

対象とする部品の構造や材料成分が使い始めた当時のものと同じかどうかの解析(サイレントチェンジの有無)を、下記の手順にてお奨めしています。

 

STEP1 解析メニューのご提案


最適な解析プランをご提案します

  • 製品の構造や使用環境の整理
  • 初回採用評価OEM製品の品質リスクレビュー
  • 解析メニューの立案

 

STEP2 非破壊解析(スクリーニング)


非破壊観察や電気的特性の確認を行い、 被疑箇所の絞り込みを行います

  • 外観確認
  • 電気的特性の確認
  • X線/超音波探傷による内部確認

 

STEP3 破壊解析/材料分析


破壊解析により部品から材料レベルまで異常がないか確認します

  • エミッション顕微鏡などによる確認
  • 断面研磨/SEM観察
  • XPS、EDX、AESなどによる成分分析

 

 

 サイレントチェンジ検証サービス

調達品の製造条件、部材、構造、材料が知らない間に変更(サイレントチェンジ)されていたため、採用当初に使用していたものから『違ったもの』になっている - 製造条件変更(4M変更)申請もれ・未申請により供給する製品の品質問題へと発展してしまうことがあります。調達先に製造条件変更申請を義務づけるかどうかは別として、サイレントチェンジの結果、最悪の場合、装置の故障や火災事故、重大な製品リコールにつながる可能性があります(製造物責任)。

 

  

なぜサイレントチェンジ対策が必要?


サイレントチェンジにより、たとえ外見は同じでも中身の一部が変更されることで、特性や仕様の一部に悪影響を及ぼすことがあります。その未然防止のためには、部品採用時だけではなく、製品量産中も定期的な含有分析や構造解析が必要不可欠となります。

 

サイレントチェンジはなぜ起こるか?


様々な理由を原因に、サプライヤ側が供給先に何の通知もなく無断で材料/部品を変更して納入するためです。

製品に使用する材料や部品は、材料/部品メーカ(サプライヤ)との間に取り交わした契約、仕様書等に基づいて製造され、取引されます。ところが、サプライヤ側が、供給先に何の通知もなく無断で、材料/部品を変更して納入してしまうケースが増加しています。理由としては

  • コストダウンのため
  • 部品のEOLにより変更せざるを得ないため
  • その他、使用している部材などの入手困難のため

などが挙げられます。

 

サイレントチェンジが発生すると?


製品の欠陥により被害が発生した場合、製造物責任を問われてしまいます。

  • 製造物責任法では、製品の欠陥により被害が発生した場合、被害者に対して賠償金を支払うのは最終製品を製造または輸入した事業者である(無過失責任)、と定めています。
    たとえ生産条件変更管理(4M変更管理)違反をサプライヤが犯している場合でも、製造物責任を問われてしまいます。

 

製造物責任予防のためには?


定期的なサイレントチェンジ検証が必要になります。

  • 製品設計や、自社内での製品安全に対する危機管理意識の醸成と並び、サイレントチェンジの検証が必要になります。定期的な抜取り検査による抑止が非常に重要です。
    ユーロフィンFQLでは、『赤リンによるトラブルの解析/ 含有分析』『構造解析サービス』の、2つの観点からサイレントチェンジを検証するサービスをご提供しております。

 

 

事例1

 

非破壊解析

外観確認や、3D-X線透視解析、超音波探査(SAT)等から最適な非破壊解析を選択し、被疑箇所を絞込みます。下記に紹介する半導体の例では、X線画像の見え方が使用開始当初から異なっていることがわかります。(写真の一部を加工しています)

外観確認や、3D-X線透視解析、超音波探査(SAT)等から最適な非破壊解析を選択し、被疑箇所を絞込み

左側はワイヤとダイの見え方が不鮮明であるが、右側はワイヤもダイも鮮明に見えている。

 

破壊解析、材料分析

パッケージ樹脂開封を行い、光学顕微鏡やエミッション顕微鏡での観察、機械的研磨での走査電子顕微鏡(SEM)観察等から異常箇所を推定します。 半導体を開封して内部観察を行ったところ、右写真の様に、チップをはじめ、使用材料の変更が確認されました。

チップをはじめ、使用材料の変更が確認

チップが版数UPされており、ワイヤはCuからAuへ変更。さらにダイボンディングの成分分析から、ペースト材がAgからはんだへ変更されていたことが判明。(サイレントチェンジあり)

 

 

このサイレントチェンジにより考えられるリスク

  • ワイヤがCuからAuに変わると、リードフレームやチップのパッド材質によっては接続強度の低下や導通抵抗変化による特性変動などが考えられます。
  • ペースト材がAgからはんだに変わると、導通抵抗や熱抵抗が変化することにより、特性変動などが考えられます。

 

 

事例2

 

破壊解析(外観確認/X線解析)

ACアダプタの例では、気づかないうちにフィルムコンデンサのバージョンが変更されていました。

気づかないうちにフィルムコンデンサのバージョンが変更

 

このサイレントチェンジにより考えられるリスク

  • 誘電体フィルムが低コスト材料へと変更されると、スペック(耐熱性やAC破壊電圧など)が低下し、発煙発火のリスクが高まります。
  • 誘電体フィルムの蒸着金属がアルミ⇒アルミと亜鉛の合金へと変更されると、耐吸湿性が低下し、ACアダプタの実使用環境に対して容量低下のリスクがあります。