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サービス >> バイオ医薬品安全性試験 >> ウイルスクリアランス試験

ウイルスクリアランス試験の受託試験

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ウイルスクリアランス試験とは?

ウイルスクリアランス試験の概要を説明します。

ウイルスクリアランス試験とは、バイオ医薬品の安全性管理のため、プロセス開発時や医薬品の承認申請時に必要なウイルス不活化/除去能力を評価する試験です。

ウイルス不活化/除去に有効であると考えられる工程において、全体としてウイルスがどの程度減少したかを定量的に評価します。

未加工/未精製バルクや製造工程における各工程に、ウイルスを意図的に添加し、それぞれの工程を経る間に、添加されたウイルスがどの程度不活化、又は除去されるかを示す必要があります。

いくつかの工程で十分なクリアランスが示されるならば、必ずしも全ての工程について評価や解析する必要はないとされています。

 

ウイルスクリアランス試験で使用するウイルスは、製品を汚染する可能性があるウイルスと同様とみなされるウイルスで、一般的にウイルスを排除するためのシステムの能力を評価するのに適した特性を持つものが良いとされています。

ウイルスクリアランス試験の目的や、各国のガイドラインに従って、ウイルスの選択の妥当性を示す必要があります。 使用されるウイルスは、「関連ウイルス」、「特異的モデルウイルス」、「非特異的モデルウイルス」の3つのカテゴリーに分けられます。

関連ウイルスとは、製造工程で使用される細胞基材、その他の添加する物質に混在することが知られているか、存在の可能性があるウイルス類と同一又は同種のウイルスです。

この関連ウイルスの入手が困難な場合や、試験にうまく適用できない場合には特異的モデルウイルスで代替することができます。

特異的モデルウイルスは、存在が知られているか、存在の可能性があるウイルスと密接に関連しているウイルスです。

非特異的モデルウイルスは、当該工程が確実にウイルスクリアランス能力を発揮することを解析するために使用されます。

 

ICH-Q5A「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」では、よく使用されるウイルス例として、次のものが挙げられています。

  • 水疱性口内炎ウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • マウス白血病ウイルス
  • シンドビスウイルス
  • ウシ下痢症ウイルス
  • 仮性狂犬病ウイルス
  • ポリオウイルスSabin 1型
  • 脳心筋炎ウイルス
  • レオウイルス3型
  • SV40
  • パルボウイルス

 

ウイルスクリアランス試験は、製造工程をスケールダウンして実施します。

各ファクターは実際の製造工程をできる限り反映します。例えば、クロマトグラフ装置を使用するのであれば、流速、緩衝液、カラム、pH、温度、タンパク濃度、塩濃度などです。

2つ以上の製造工程ついて評価し、どのようなウイルス不活化/除去能力を有するか確認することが望ましいとされています。

 

バイオ医薬品の製造業者は、ウイルスクリアランス試験に用いたアプローチについて説明し、その妥当性を明らかにする必要があります。

 

 

ウイルスクリアランス試験に対する当社のアプローチ

ユーロフィン BioPharma Product Testing(ユーロフィンBPT)ネットワークでは、バイオ医薬品の開発、製造、上市まで全ての段階において、GMPに準拠したウイルスクリアランス試験を受託しています。ユーロフィンBPTネットワークでは、法的要件に適合するウイルスクリアランス試験を設計し実施します。

 

お客様の要望に合わせ、4つのレベルで試験を受託しています。

レベル1:ベーシックサービス

お客様にすべての原材料とスケールダウンした試験手順を用いて提供いただき、お客様が当社のウイルスクリアランス施設にて試験を実施します。

 

レベル2:グレードアップサービス

お客様にすべての原材料とスケールダウンした試験手順を提供いただき、お客様がクロマトグラフィー工程を実施します。ウイルスの不活化/除去のフィルトレーション工程については当社がを実施します。

 

レベル3:フルカバーサービス

お客様にすべての原材料とスケールダウンした試験手順を提供いただき、お客様から当社に技術移転していただきます。当社がすべてのクリアランス工程を実施します。

 

レベル4:ターンキーサービス(一括サービス)

お客様からフルスケールの製造工程に関する情報を提供いただき、当社がスケールダウンした試験法を開発とバリデートし、すべてのクリアランス工程を実施します。

※レベル4については、要相談でお願いします。[2022年1月20日追記]

 

各レベルにおいて、お客様からの原材料の提供、スケールダウンした試験手順の提供、お客様スタッフによる試験実施、及び現地ラボ立ち合いの要・不要を下表にまとめています。

  レベル1 レベル2 レベル3 レベル4
原材料の提供 不要
(サンプルは必要)
スケールダウンした
試験手順の提供
不要
試験実施 一部、要 不要 不要
現地ラボ立ち合い 不要 不要

 

 

ユーロフィンBPTネットワークでは、ウイルスクリアランス試験に次の15種類のウイルスを使用可能です。

Virus

Medium

Typical Titer*
(Log PFU/mL)

Xenotropic Murine Leukemia Virus
(XMuLV; 異種指向性マウス白血病ウイルス)

Low serum

7.2

Serum free (HT** High titer lot)

8

Serum free (HP*** Purified lot)

7

Murine Minute Virus
(MMV)

Low serum or serum free

9

Serum free (HP Purified lot)

8.5

Porcine Parvovirus
(PPV)

Serum free

9.5

Serum free (HP Purified lot)

9

Pseudorabies Virus
(PRV; 仮性狂犬病ウイルス)

Serum free

8.4

Serum free (HP Purified lot)

7.5

Reovirus Type 3
(Reo; レオウイルス3型)

Serum free

8

Serum free (HP Purified lot)

7.5

Bovine Viral Diarrhea Virus
(BVDV; ウシ下痢症ウイルス)

Low serum

7

Feline Calicivirus

Serum-containing

8.2

Adenovirus Type 5
(アデノウイルス5型)

Serum-containing

8.8

Influenza Virus Type A
(インフルエンザウイルスA型)

Serum free

7

Poliovirus (ポリオウイルス)

Low serum

7.4

Baculovirus (AcNPV)

Serum-containing

8

Herpes Simplex Virus
(HSV; ヘルペスウイルス)

Low serum

7.5

Human Immunodeficiency Virus
(HIV)

Serum-containing

7.5

(Log TCID50 /mL)

SV40

Serum-containing

7.2

Vesicular Stamatitis Virus
(VSV; 水疱性口内炎ウイルス)

Serum-containing

8.9

*:当社で保有しているウイルス株のある代表的なタイター

**:培地に添加されるHTサプリメントのことで、ヒポキサンチンナトリウムとチミジンの混合液

***:Hydrolyzed Proteinの略

 

当社では、タイムリーな試験実施と報告が可能なように6つの専用のクリアランス施設を保有しています。

ウイルスクリアランス施設として必要な、多段HEPAフィルターウィルスクリアランスラボ、多段AKTAクロマトグラフィーシステムを所有しています。また、各分析で必要な汎用機器も取り揃えています。

ウイルスクリアランス試験をお考えであれば、ぜひ当社をご活用ください。ご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。

 

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