Eurofins BPTはミクロ試験サービスとマクロケイパビリティの拠点を拡大
ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター2024年Fall号」が発行されました。
ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティック・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。
世界62カ国に900以上のグループラボがあり、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間4億5,000万件を超える試験を実施しています（2024年2月現在）。
医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所（E-ASL）」が受託を行っています。一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。
バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、定期的にニュースレターを発行しています。
2024年Fall号のうち、以下6つの技術情報を紹介します。
- Eurofins BPTはミクロ試験サービスとマクロケイパビリティの拠点を拡大
- USPのガイドラインでは特性解析及び出荷試験のためのmRNA分析法の品質基準を強調
- 規制当局の要件を満たすマイコプラズマ比較試験のラボを選択しよう
- Eurofins Human Factors MDが直近FDAに承認されたneffy®エピネフリン点鼻スプレーの試験実施
- 生物学的製剤のバイオセーフティを初期段階からINDおよびBLA申請までマスターする
- 医療機器の生体適合性評価に関するFDAの新ガイダンスが試験のハードルを上げる
本技術コラムでは、「Eurofins BPTはミクロ試験サービスとマクロケイパビリティの拠点を拡大」を紹介します。
著者：Angie Smith, Site Director, Eurofins BioPharma Product Testing Portage
微生物学という言葉からはあまり想像がつかないですが、微生物学はバイオ医薬品の試験や要求事項の大部分を占めています。
Eurofins BioPharma Product Testing（EBPT）はお客様の増大するニーズに対応するため、包括的な微生物学的試験サービスとラボの拠点を北米全域に継続的に拡大しています。微生物学的試験を実施できるEBPTネットワークの拠点は、医薬品及び医療機器の微生物学的試験を実施できるペンシルベニア州ランカスター、ミシガン州ポーテージ、カナダのトロントです。
そして最近、Eurofinsはマクロとミクロの両視点からみるケイパビリティを踏まえ、Infinity Laboratoriesを買収しました。この買収により、北米における微生物学的試験の事業領域が大幅に加わり、フットプリントも拡大しました。Infinity Laboratories の微生物学的試験のケイパビリティの拠点には、カリフォルニア州ペタルマ、カリフォルニア州サンディエゴ、インディアナ州クラウンポイント、ニュージャージー州ノースブランズウィックが含まれています。
ニュースレター春号に掲載した最近の記事では、環境モニタリングのデータ収集と施設バリデーションのサポートのためのフットプリントが、より多くの地域に拡大していることが強調されていました。オンサイトデータ収集サービスを提供するペンシルベニア州中部及び北東部のランカスターを含め、ノースカロライナ州ケーリー及びフロリダ州ジャクソンビルにあるEBPT ENCOは、サンプルデータ収集サービスを確立し、南東部全域のお客様にサービスを提供する準備が整っています。
さらに、ミシガン州ポーテージにあるEurofinsの拠点では、オンサイトでの環境モニタリングのデータ収集と試験に対応し、中西部上部にサービスを提供しています。Infinity LaboratoriesがEBPTに加わったことで、環境モニタリングと施設バリデーションのためのオンサイトデータ収集を行う拠点は倍増しました。中西部と北東部の拠点にキャパシティが追加されただけでなく、西部のラボでも微生物学的試験が実施できるようになりました。これらのラボ拠点がネットワークに統合されることで、北米全域に微生物的試験を実施できるラボとオンサイトサンプリングチームの包括的なネットワークを提供できることを嬉しく思います。
また、医療機器メーカーのお客様には、製品がどこで開発、製造、販売されているかにかかわらず、微生物学的試験のためのローカルオプションを提供できるよう取り組んでいます。
Infinity Laboratoriesの拠点は以下の通りです。カルフォルニア州ペタルマ及びサンディエゴ、インディアナ州クラウンポイント、ニュージャージー州ノースブランズウィックのラボでは、医療機器の微生物学的試験を実施しています。Infinity Laboratoriesセントルイスラボでは、エチレンオキシド残留物の測定サービスが追加されました。ランカスターにあるEurofins Medical Device Testingのラボは、最新鋭のクリーンルーム施設を新設し、無菌試験のキャパシティを拡張しました。新しい無菌室は、滅菌バリデーションをサポートするために使用されるだけでなく、定期的な無菌試験と四半期ごとの線量監査を実施しています。
公定書の微生物限度試験、バイオバーデン、無菌試験、LALエンドトキシン試験に加えて、サンディエゴ、クラウンポイント、ランカスター、トロントを含む複数の拠点で遺伝子型の同定も行っています。
ランカスターラボは、PCRを使用して1,350塩基対以上を増幅し、二本鎖シーケンスを行い、バリデートされた当社独自のデータベースと比較するUnilocus Comparative Sequencing（ULSA）を利用しています。Eurofins Microbial Sequencing Indexには、9,260以上の有効な菌株が含まれています。ポーテージラボでは、遺伝子型の同定のためにULSAを導入中です。ランカスターラボの細菌と酵母の同定には、MALDI-TOF質量分析法も有効なオプションです。このフィンガープリントは、4,000種以上の細菌と酵母にまたがる11,000以上のエントリーからなる機器ライブラリー内の特徴的パターンと一致します。
ポーテージラボでは、ネットワーク全体のケイパビリティとキャパシティをさらに拡大するため、2024年に無菌製品の試験をサポートする無菌アイソレーターとLALエンドトキシン試験を導入しました。
ランカスターラボのチームは、2025年に新しいSievers Eclipseエンドトキシンシステムを立ち上げる予定です。ランカスターラボは、C因子DNAからクローニングされた高感度合成タンパク質であるrFCを用いたエンドトキシン試験を搭載します。これにより、エンドトキシン試験のための試薬の一貫して持続可能な供給源が可能となり、カブトガニの個体数を保護することができます。ランカスターラボにrFCを導入することは、このサービスを米国内のEBPT微生物学的試験ネットワークに導入する第一歩となります。
私たちは、EBPT及び医療機器ネットワークの微生物学的試験サービスの範囲を拡大し、微生物学的試験の選択肢を増やし続けることで、お客様の個々のニーズに応え、マクロなインパクトのあるミクロな進歩を実現することをお約束します。
原文は、Eurofins BPT expands micro testing services and sites for macro capabilitiesをご覧ください。
関連サービス
・USPのガイドラインでは特性解析及び出荷試験のためのmRNA分析法の品質基準を強調
・規制当局の要件を満たすマイコプラズマ比較試験のラボを選択しよう
・Eurofins Human Factors MDが直近FDAに承認されたneffy®エピネフリン点鼻スプレーの試験実施
・生物学的製剤のバイオセーフティを初期段階からINDおよびBLA申請までマスターする
・医療機器の生体適合性評価に関するFDAの新ガイダンスが試験のハードルを上げる
