JavaScript is disabled. Please enable to continue!

Mobile search icon
ユーロフィン分析科学研究所株式会社 >> 技術コラム >> アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)

アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)

Sidebar Image

ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(202110月号)」が発行されました。

ユーロフィングループは、食品・環境・医薬品に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。世界50カ国に900以上のグループラボがあり、200,000通りにも及ぶ分析項目・手法を取り扱っています。

医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。

バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、年3回ニュースレターを発行しています。

 

2021年10月号では、以下6つの技術情報を紹介しています。

一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。

  1. Eurofins Viracor (米)は、プレシジョン・オンコロジー(精密腫瘍学)をターゲットに、新しいがんゲノムプロファイリング試験であるPanCancerIQのサービス提供を開始
  2. アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)
  3. 欧州医療機器規則(MDRArticle 15: Person responsible for regulatory complianceを解説
  4. 粉末特性評価における粒子径分布と熱分析技術
  5. 生物学的製剤のハイスループット糖鎖プロファイリングサービスのメリット
  6. 米国空軍は診断用オリゴヌクレオチドの生産量増強のため、EurofinsGenomics ネットワークと契約

 

本技術コラムでは、「2.アムホテリシンBリポソーム製剤のin vitroカリウム放出試験が受託可能(Bio-IND申請対応)」を紹介します。

 

製剤製剤

アムホテリシンBは、依然として生命を脅かす真菌感染の標準治療です。しかし、その使用は、その重度の急性および慢性毒性のため制限があります。アムホテリシンBはステロールを含有する膜に細孔を形成し、カリウムなどの一価イオンや他の細胞成分の漏出をもたらします。これが、抗真菌活性と毒性の主要な作用機序です。

この安全性プロファイルを改善するために、アムホテリシンBがリン脂質層内に埋まっているリポソーム製剤が開発されました。これらの製剤は、アムホテリシンBの緩やかな放出を達成し、効力を維持しながら毒性が軽減されています。COVID-19のパンデミック時には、アムホテリシンBのリポソーム製剤は、ムコール症患者における単一の治療ラインでした。

大きな需要があるため、ジェネリック企業が同様の製品に投資しています。そのような製品の生物学的同等性を証明するために、実施する必要がある試験(ジェネリック医薬品局ガイダンスの草案に基づく)の1つにin vitroカリウム放出試験があります。

Eurofins Advinus(インド)では、Bio-IND申請をサポートするためのin vitro カリウム放出試験が受託可能

対照製剤(RLD[参照リスト薬])ならびに試験製剤とインキュベーションした赤血球(RBC)から放出されるカリウムを比較するための試験を確立しました。

カリウム濃度の測定には、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を用いています。

ヒトおよび前臨床試験で用いた動物種のRBCでのin vitroカリウム放出試験と生物学的分析法とをバリデートしました。

in vitro 試験は、アムホテリシンBジェネリック製剤の展示バッチ(exhibit batch)のスクリーニングまたはバッチリリース時に用いることができます。開発された試験は、96ウェルプレートで行うことができるハイスループット試験であり、カリウム分析の従来法を感度の高いICP-MSに置き換えています。

カリウムの50%放出を生じさせる製剤濃度をK50とし、相対毒性の基準としています。このin vitro試験は、試験製剤のイノベーター製品に対する類似性を証明するために必要なin vivo試験の代替となります。

 

原文(英語)は、In Vitro potassium release assay for liposomal formulations of Amphotericin B – a requirement for Bio-IND applicationsをご覧ください。

 

ニュースレター(202110月号)のその他の記事は、下記よりご覧ください。