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創薬の未来:E3scanとその先を見据えて

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ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター(2022年2月号)」が発行されました。

ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティック・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。

世界54カ国に900以上のグループラボがあり、グループ法人数は1,000社を超え、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間4億5,000万件を超える試験を実施しています(2022年3月現在)。

 

医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。

バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、年3回ニュースレターを発行しています。

 

2022年2月号では、以下6つの技術情報を紹介しています。

一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。

  1. Eurofins BPT(カナダ、トロント)は、サイケデリックスに関する試験と認証サービスを拡充し、メンタルヘルス治療をサポート
  2. Eurofins CDMOは、生物学的製剤の結腸ドラッグデリバリーで生じる課題解決をサポート
  3. オルガノイド:プレシジョン・オンコロジーにおける次のステップ
  4. 創薬の未来:E3scanTMとその先を見据えて
  5. Eurofins BPT(イタリア)は、フル稼働可能なBSL2施設を備え生物学的製剤の試験サービスを拡大
  6. Eurofins Central Laboratoryはグローバルな臨床試験におけるPBMC処理の課題を解決

 

本技術コラムでは、「4.創薬の未来:E3scanTMとその先を見据えて」を紹介します。

 

ここ20年間で、創薬におけるパラダイムシフトとなる新しいアプローチが登場してきました。

標的タンパク質分解(TPDTargeted Protein Degradation)は、疾患標的に対する薬剤研究に新たなアプローチを提供します。

従来のように受容体等の相互作用や酵素の触媒活性を阻害するのではなく、分子標的そのものを分解します。TPDは低分子を用いて、対象となるタンパク質にE3ユビキチンリガーゼを動員することで体内の細胞分解機序を乗っ取り、それにより標的分子のユビキチン依存性分解を誘導します。

 

 

この新しいアプローチの可能性は無限です。なぜなら、ヒトの細胞内タンパクの約80%を占める、転写因子、スキャフォールド及び他の非酵素タンパク質など、以前は創薬が不可能と考えられていたタンパク質を標的とした新規化学物質の開発への扉が開かれたからです。

 

創薬サービスのリーダーとしてEurofins Discoveryは、COVID-19パンデミックのさなかに新しいTPDサービスであるE3scan™を始めました。

E3scanは、すでに確立されているKINOMEscan®テクノロジーに基づいており、基質動員する部位特異的な競合結合アッセイを利用しています。

現在、E3scanには、12種類のE3リガーゼに対する試験と基質選択性を決定する個々の基質認識ドメインが含まれていて、新規のターゲットについても随時追加する予定です。E3scanKINOMEscan技術基盤の先にはどのような展望があるのでしょうか。

 

この新しいTPD領域は急速に発展してきており、あらゆる製薬企業にこの領域の研究部門があります。また、ここ数年、TPD領域に傾注する創薬ベンチャー企業も生まれてきています。そのため、非常に多くの企業が新しい複数の標的に対するディグレーダー(分解誘導剤)を探しており、この領域における創薬の可能性は無限大です。従来は創薬が不可能と考えられていた標的に対する新薬発見の未来は明るいといえます。

 

Eurofins Discoveryは、この視点に立って創薬イノベーションのリーダーであり続け、新しいテクノロジーや試験の開発を追求し、創薬におけるこのエキサイティングな新しい時代を支えていきます。これらの努力がより多くの病気の治療につながることを願っています。

 

さらに詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

原文は、The future of drug discovery: E3scanTM and beyondをご覧ください。

 

ニュースレター(2022年2月号)のその他の記事は、下記よりご覧ください。