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物理組成調査

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環整95号では”組成種類分析”と呼んでいます。一般には”ごみ組成分析調査”、”組成分析”、”分別”、”仕分け”などと表現することもあります。

以下ようなの項目に仕分けして、重量割合を調べる工程。環整95号では乾燥状態で6項目となっている。が、湿状態で分けたり、さらに細かい項目に分類することもあります。

不燃ごみ、粗大ごみ、事業系ごみ、破砕ごみなどは性状も、組成内容も大きく異なるため、別途、組成項目や分析調査方法を検討する必要があります。

 

環整95号の項目

(3) ごみの種類組成分析
 3の(2)に用いた試料の全量をビニールシート等に拡げて次の六組成を標準として組成ごとに秤量し、重量比(%)を求める。
 ① 紙・布類
 ② ビニール・合成樹脂・ゴム・皮革類
 ③ 木・竹・ワラ類
 ④ ちゆう芥類
  (動植物性残渣、卵殻、貝殻を含む。)
 ⑤ 不燃物類
 ⑥ その他
  (孔眼寸法約五mmのふるいを通過したもの)

 【参考】:組成項目(細分例)

 

 

紙、布類

  • ”と””とに分けることもある。
  • 一概に紙といっても、ビニールや金属がコーティングされているものや、インクや薬品が塗布されているものなどもある。”焼却不適紙”、”再利用に不向きな紙”として別に分けることもある。
    • ただし、再生できるかどうかは再生技術の進歩や再生業者の対応力によっても変わってくる。
  • 布と言う形状を持っていても、いろいろな素材がある(ガラス繊維、金属繊維、石綿など不燃性のものもある)。
  • 毛や綿状のものを含めて繊維類とすることもある。木綿と化繊では大きく性状(発熱量、元素組成など)が異なる。
  • 布になっていなくても繊維状のものも含めることも多い。”繊維類”とすることもある。

 

ビニール

  • ビニール・合成樹脂・ゴム・皮革類
    • まとめて”高分子系”と表現することもある。
  • プラスチック類を含む。”プラスチック類”と”ゴム・皮革”を分けることもある。
    • 皮革→”ヒカク”と読む。”ヒカワ”ではありません。
  • プラスチックの材質を調べたりすることもある。
  • PE(ポリエチレン),PP(ポリプロピレン),PS(ポリスチレン),PET(ペット),PVC(塩化ビニール)などが主なもの。
  • ”合成樹脂”という表現されることもある。

 

 

木・竹・わら類

  • 一般の可燃ごみに入っている木・竹・わら類には割り箸、爪楊枝、焼き鳥の串、アイスクリームの棒などがある。剪定枝や落ち葉などが大量に入っていることもある。花瓶の花や、木製品などもある。
  • 木製に見えてもプラスチック製や紙製と言う事もあるので注意が必要。
  • 現在ではワラを見かけることはあまりありません。

 

ちゅう芥類(厨芥類)

  • 調理カスや食べ残しなど。
  • 果物の皮や種、コーヒーのカスなど含む。
  • 骨や卵の殻等も含む。
    一般に水分の割合が高いことが多い。
     骨や卵と、野菜や果物などでは水分も違うし、発熱量、灰分なども当然、全く違います。どのような内容か、観察しておくことも重要です。植物性のものと動物性のものを分けることもあります。
    昨今では、大量の未開封の食品など、食品廃棄物の問題が報道等で見られるようになりました。
  • 食品リサイクルに注目した調査ではさらに細かい分類をすることもある。(賞味期限、開封の有無、調理くずなのか食べ残しなのかなど)

不燃物類

  • ガラス類、金属類、セトモノ・石・砂などを含む。
  • 季節によって使い捨てカイロ等が多いこともある
  • シリカゲル、石灰などの乾燥剤も不燃物とすることも多い。

その他

  • 一般にはふるいを通過した細雑物、夾雑物(きょうざつ物のこと)。ふるいの目は5mmとすることが多い。
  • 他の項目に含められないものがその他に入ります。
    • 例:蚊取り線香、クレヨン、ローソク、虫、石鹸、鼠の死骸、その他判別できないもの等
  • ”その他”の割合が多いと組成分析調査の意味が薄れるので一般には少ないほうがよい。特徴的なものがあるときは内容を記録しておくことが望ましい。
  • 何を”その他”にするのかは仕様によって異なることもある。
    • 一般的には”その他の可燃物”との解釈から、不燃物と考えられるものは含めないことが多いようです。(その他に入れたものは通常は破砕するなどして以後の分析の対象になります)
  • 組成項目表を作成される場合は、”その他の可燃物”、”その他の不燃物”の項目を作成いただくことお勧めいたします。
    • 想定外のものや判断に困るものが出てくることがあるため。

 

【参考】:組成項目(細分例)

 

時代とともに新素材や新しい複合素材が登場し、また加工技術も進歩し種類組成分類調査、分別収集、リサイクルも複雑になり高度な技術が必要になります。

また、”ごみ”には以下のようなものも入っています
 (複合素材や新素材など)


【紙おむつ】

  • 最近では一般ごみに必ずと言っていいくらい、紙おむつが入っています。”紙”おむつと言っても、ほとんど、あるいは全く紙を使っていないと言う話も聞きます(高分子製不織布、高吸水性高分子など)。
  • 無視できないくらいの重量であることも多く、大量の水分(自重の数十倍から数百倍の水を吸収、保持できるらしい)を含んでいることも多いです。おまけに内容物も扱いに困ることも多い。


【壁紙】

  • 壁紙などは紙と思いきや、高分子系のフィルムが張り合わせてあったり、全てが高分子系で、紙を全く使用していなかったりすることもある。


【不織布】

  • 繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものとされているが、和紙と区別しにくいものもある。素材も高分子系のものや、ガラス繊維のものなどもある。ビニールと張り合わせてあったりもする。
  • 使い捨てのマスク、各種フィルターなど各種用途に多用されている。

 

【ネコ砂】

  • ネコなどのペットのトイレに使うもの。砂といっても市販のものはいわゆる”砂”でないものも多い(紙、木、鉱物、シリカゲル、おから、などを原料としたもの)。可燃物として燃やせることを謳っている商品もあるようだが、自治体によって対応が違う場合もある。

 

【ビニール】

  • 一般にビニールと言うとポリエチレン製のビニール袋を想像される方が多いでしょうか? ごみから実際に出てくるものには、いくつかの成分が多層に張り合わせてあったり、表面が加工やコーティングしてあったり、材料そのものにいろいろなものが添加してあったりと単純ではない。特に食品のパックなどは高度な品質管理や安全性を保つ為、いろいろな工夫がされているものも多い。 あの薄いラップが5層だったりする。
  • 銀色で同じように見えてもアルミと張り合わせてあったり、蒸着してあったり、単に着色してあったりとなかなか簡単ではない。
  • 扱いも「可燃物」としたり、「不燃物」としたり、「もやせないごみ」、「燃やさないごみ」としたりと色々。 指定ゴミ袋に薬剤を添加し、発熱量を下げ可燃物とする例もある。


【ゴム・皮革】

  • ゴムと言ってもゴムでなかったりする。
    • ゴムホース、ゴム長靴、ゴムボートもゴムでなかったりします、シリコンゴム等も判断しづらい材質。
  • 皮革と言っても皮でなかったり。合成皮革は見た目にも判断しづらい材質。

 

【使い捨てカイロ】

  • ホカロン、ホッカイロなどの商品名で知られる使い捨てカイロも寒い季節には大量に出てくることがある。
  • 不織布の袋の中に黒炭、鉄粉などが含まれる。一般にはそのまま”その他の不燃物”として扱うことが多い。

 

【乾燥剤など】

  • 乾燥剤と呼ばれているものにも中身はシリカゲルや石灰などがある。
  • 同じような形状のものに脱酸素剤などもあります。よく見ると内容が印刷されていることが多い。一般にはそのままその他の不燃物として扱うことが多い。

 

【保冷剤、蓄熱剤】

  • 保冷剤や蓄熱材も最近は珍しくない。材質的には高分子系の様だが、多量の水分が含まれている。一般に無視できない重量がある為、実際の現場では分類判断に苦労する。
  • 仕様によりプラスチックもしくはその他に分類することになるが、コメントを残しておくのが望ましい。

 

 

・その他の情報

ごみ組成項目(細分例)プラスチック組成ごみ質分析環境分析

 

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