プラスチック組成
集められたプラスチック、ビニールがどのような素材で出来ていて、比率(割合)はどうなのかを調べることがあります。リサイクルする場合にも、燃やしてしまう場合にもとても大切な調査と言えます。特に燃やしてしまう場合にはダイオキシンの生成にも関わる塩素の発生源になる塩ビ等の含有率が気になるところです。
最近では素材表示識別マークの表示が徹底されてはいますが、複合素材や、破砕された素材の識別はなかなか困難です。
それらを識別するため赤外線の吸収(透過)スペクトルを利用した機器などもありますが、高価であり、所有している業者も少ないようです。弊社では簡易識別法での識別を実施しています。
プラスチック簡易識別法
火に近づけて見てその様子を観察したり、実際に燃やして見て煙の様子をみたり、破れ方や、感触などで総合的に判断します。
マークが付いているものは参照します。
また、バイレシュタイン反応を見ることで塩ビ、塩化ビニリデンなどの塩素を含む素材は的確に判別することが出来ます。
簡単な作業のみで特殊な機器などが不要であり、かつ精密な調査が必要な場合でなければ充分に有用です。
火を使う方法は火災や火傷など心配があるため、お子様などと実演する場合は、傷の付きやすさなどを比較したり、比重を比較したりして分別することもできます。
・バイレシュタイン反応
火炎中で素材に銅を接触させると、塩素を含むものは特徴的な緑色の炎を発生させるため明確に判断することができます。そのため塩化ビニール、塩化ビニリデンなどの塩素を含む素材を的確に判別することが出来ます。
塩素以外にも臭素、ヨウ素などのハロゲンにも反応してしまう。フッ素には反応しない。
※破砕されていて細かいものや、複合製品や特殊なものは、機器を用いても、簡易識別法を用いても識別は困難になります。
また、機器を使用する際でも色の付いているものや、汚れの付いているものは不可であったり、厚みのあるものはだめだったり、判定できる種類が限定されていたりします。調べたい対象や、形状などに応じ、機器の仕様をよく確認して選定する事をお勧めします。
主なプラスチック概要
・ペット(ポリエチレンテレフタレート)
ペットボトルの原料。燃やすと水と炭酸ガスになる。ダイオキシン類は発生しない。カセットやビデオのテープ、衣服の繊維、卵のパックなどにも使用されている。
・高密度ポリエチレン
他のポリエチレンに比べ硬い。
容器、コンテナ、文具、家庭用雑貨などに用いられるが、PPと用途が競合している。化粧品、シャンプーなど家庭用容器、灯油用ポリタンクなどにも用いられている。
・ポリ塩化ビニル(塩ビ)
塩素を含み、燃やすと特有の臭いの酸性ガスを発生する。塩ビパイプ、パッケージ、電線の被覆など。ダイオキシンの問題により用途が限定されつつある。
・低密度ポリエチレン
レジ袋、マヨネーズ容器など身近に多用されている。
・ポリプロピレン
食品容器、バケツ、食品の包装、梱包用バンド、ペットボトルのフタなどに用いられている。
・ポリスチレン
珍味などの中仕切り、コンビニ弁当の容器、また発泡スチロールとして、トレイやカップなどとしても利用されている。
・その他のプラスチック
その他、材質の特性を生かしさまざまな用途のさまざまなプラスチックがある。その他、材質の特性を生かしさまざまな用途のさまざまなプラスチックがある。
※上記以外にも、多くのプラスチックや複合素材があります。
・その他の情報