高位低位発熱量
発熱量推算値
代表的な推算式を紹介します。
発熱の用語については一部、混乱して用いられる場合もたまに見受けられます。また、調製されたサンプルベースなのか、元の生ごみについてなのかによっても、表現が違ってきます。
以下についてもその点を考慮の上、ご覧下さい。それぞれの場合について、どの数値が必要なのか、求められているものは何か確認する必要もあります、判りづらい部分でもありますので、お気軽にお問い合わせください。
入荷ベース、有姿ベース、風乾ベース、絶乾ベースなどの表現も使われますが、双方の認識を確認しないと間違いの原因になります。
【実測による低位発熱量測定】
ごみ質分析の場合、一般的には最終的には低位発熱量が知りたい。そのためには、
①乾燥させる(水分の除去)
②組成ごとに分けて割合を求める。(不燃物の割合を求める)
③可燃物のみを粉砕して元の割合で混合し、発熱量測定用、水素測定用の試料とします。
(このように調製したサンプルを”化学分析試料”と呼ぶこともあります)
④計算によって、乾燥前の生ごみ状態の値に換算します。(水分、不燃物を割り戻す)
化学分析試料の発熱量 Hh-B
・実際に発熱量計に投入する状態に調製した試料の発熱量。
・もとの検体(生ごみ等)から水分と不燃物を除いた、乾燥状態の可燃物を元の割合で混合したもの。断熱状態で測定した発熱量。
・これを総発熱量とする場合もある(水分0%、不燃物0%、あるいはそれを含めての検体とした場合、同じ値になることがあるため)
高位発熱量 Hh あるいは Ho
・高発熱量・総発熱量とも言う。検体をごみ全体とする場合、通常は乾燥、不燃物除去されるため水分及び不燃物割合で補正しごみ全体に換算する。
・水分が熱を奪う前の熱量、あるいは奪ったとしても外部に放出されず戻ってくる状態での発熱量。
・絶乾(無水)ベースの高位発熱量の場合は不燃物補正のみで水分補正は不要(0となる)となる。不燃物がなかった場合には化学分析試料の発熱量と一致する。
低位発熱量 Hl あるいは Hu
・低発熱量、真発熱量とも言う。
・高位発熱量から水分が奪う熱量(蒸発潜熱)、および水素が水になって奪う熱量を差し引いた値。
・実際に利用できる分の熱量。
・水分の含有量で大きく変動する。
・絶乾(無水)ベースの低位発熱量の場合は水分が奪う熱量(蒸発潜熱)は無いものとし水素が水になって奪う熱量のみを差し引きます。その際の水素%も絶乾(無水)ベースとしベースを合わせる必要がある。
・元の発熱量が小さかったり(曖昧な表現ですみません)、水分が多いと算出した低位発熱量がマイナスになることもある。
その他、不明点等、気軽にご相談ください。
■参考:カロリー(cal)とジュール(J)
計量法では 1J=4.184cal と定義されています。
4.18605とされていた時代もあるため、この値が残っている資料、文献も多い。その他にもいろいろな定義や数値があるが、計量法では
・1cal=4.184J
と定義されています。
そのため、1J=約0.2390cal となります。端数が出るため、”約”とされています。
・その他の情報