微小粒子状物質(PM2.5)測定調査
ユーロフィンは微小粒子状物質調査(PM2.5測定)をはじめ各種粒子状物質の調査を承っています。
微小粒子状物質(PM2.5)とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径が2.5μmの粒子を50%の割合で分離できる分粒装置を用いて、より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子をいいます。微小粒子状物質は、発生源から直接排出される一次生成粒子と、光化学反応、中和反応等によって生じる二次生成粒子で構成されます。微小粒子状物質(PM2.5)の発生源は多岐にわたり、大気中の挙動も複雑です。
10 μm 以下の粒子状物質については別途、浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)の環境基準が設定されています。
環境省は、平成21年9月3日の中央環境審議会答申を受け、微小粒子状物質(PM2.5)に係る環境基準について、9月9日付けで告示しました。環境基準は表のとおりです。
微小粒子状物質(PM2.5)に係る環境基準
物資 | 環境上の条件 | 微小粒子状物質(PM2.5)測定方法 |
---|---|---|
微小粒子状物質 | 1年平均値が15μg/m3 以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。 | 濾過捕集による質量濃度測定方法又はこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法 |
環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域又は場所については、適用しない。
微小粒子状物質(PM2.5)による大気の汚染に係る環境基準は、維持され又は早期達成に努めるものとする。
○質量濃度測定方法(フィルター捕集による測定方法)
標準測定法であるフィルタ法は、サンプラにより一定流量でフィルタ上に試料を捕集し、その後、一定の秤量条件の下で、試料採取前後のフィルタの質量差を求めることで、質量濃度を算定する方法です。
○自動測定による方法
●フィルタ振動法(TEOM(Tapered Element Oscillating Microbalance)法)
固有の振動数で振動している円錐状の秤量素子の先端にフィルタが取り付けられ、フィルタ上に捕集された粒子状物質の質量の増加に伴い、素子の振動周波数が減少する原理を用いた測定法です
●β線吸収法
低いエネルギーのβ線を物質に照射した場合、その物質の質量に比例してβ線の吸収量が増加する原理を用いた測定法です。
●光散乱法
粒子状物質に、一方から光を照射したときに生ずる散乱光量を測定することにより、大気中の粒子状物質の質量濃度を間接的に測定する方式です。
○生成機構出典:「中央環境審議会大気環境部会微小粒子状物質環境基準専門委員会報告(案)」平成21年7月
一次生成粒子は、土砂の巻き上げ等自然現象によるものと、人為起源の発生源として、堆積物等の破砕や研磨等による細粒化や物の燃焼等に伴って排出されものがあります。堆積物の破砕や研磨等によって発生した粒子状物質は粗大粒子領域に主に分布しています。一方、物の燃焼に伴って排出された粒子状物質は、微小粒子領域に主に分布しています。 二次生成粒子は、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、塩酸(HCl)及び揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により蒸気圧の低い物質に変化して粒子化したものです。生成した粒子は更に凝縮及び凝集を繰り返してより大きな粒子に成長していきます。
○化学組成
環境大気中に存在する粒子状物質の化学組成は、無機成分(硫酸塩、硝酸塩及び塩化物等)、炭素成分[有機炭素(OC)、元素状炭素(EC)及び炭酸塩炭素(CC)等]、金属成分及び土壌成分等に分類されます。
○発生源
環境大気中粒子状物質の発生源は、人為起源と自然起源に大別されます。人為起源には、固定発生源(工場・事業場等)と移動発生源(自動車、船舶及び航空機等)があります。自然発生源としては、土壌、海洋、火山等があります。また、国外から越境移流する代表的な粒子状物質として、黄砂があります。
~参考~
火山灰土(関東ローム)の地表付近の粒径組成についは、既存文献によると粗砂(2~0.2mm)が約10%、細砂(0.2~0.02mm)が約30%、シルト(0.02~0.002mm)が約30%、粘土( < 0.002mm)が約30%という報告があります。
参考:「環境白書」(環境省)
環境大気中に存在する粒子状物質の粒径は、その大部分が0.001~100 μm の範囲内にあります。法律や測定方法により、定義がことなります。
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