環境中のPFAS分析(PFOS/PFOA/PFHxS等)
PFASとは
PFASは炭素とフッ素を人工的に合成して作った化学物質で、約1万種類以上が存在するとされています。
PFASは熱や薬品に強く、撥水性・撥油性などが高い性質があります。
それらの特徴を活かして、私たちの日常生活で使用している衣類、撥水加工剤や電子機器の材料など様々なものに使用されてきました。
工場排気や消火剤、産廃処理等から土壌・地下水・公共用水・水道水等に汚染が広がっていると考えられ、米国・欧州では規制が進められており、日本でも今後規制が強化される動きがあります。
日本・米国・欧州におけるPFAS規制状況
日付 | 対象地域 | 規制 | 内容 |
2009年5月 | 国際条約 | ストックホルム条約(POPs条約) | PFOS を制限物質(附属書B)に特定。 |
2009年10月 | 日本 | 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) | PFOSを第一種特定化学物質に指定。 一部例外を除く製造・製品への使用を禁止に。(2010年4月施行) |
2017年10月 | 日本 | 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) | 改正によりPFOSを例外も含め、製造・輸出・製品への使用を禁止に。 |
2019年5月 | 国際条約 | ストックホルム条約(POPs条約) | PFOA を廃絶物質(附属書A)に特定。 |
2020年4月 | 日本 | 水道水 | 厚生労働省は水道水についてPFOS・PFOAを水質管理目標設定項目に位置付け。 PFOS・PFOAの合算値で 50 ng/L 以下とする暫定目標値を定める。 |
2021年4月 | 日本 | 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) | PFOAを第一種特定化学物質に指定。 製造・輸入・製品への使用を禁止に。(2021年10月22日施行) |
2022年6月 | 国際条約 | ストックホルム条約(POPs条約) | PFHxS を廃絶物質(附属書A)に特定。 |
2023年1月 | 欧州 | 化学物質管理規制(REACH規則) | PFASを規制する提案を、デンマーク・ドイツ・オランダ・ノルウェー・スウェーデンの5ヵ国共同で欧州化学品庁(ECHA)へ提出。 PFASの製造・使用・販売の禁止や、PFAS物質を構成用途とする物質・混合物・製品の販売を禁止とする内容。(2025年中の施行となる見通し) |
2023年2月 | 欧州 | 化学物質管理規制(REACH規則) | 長鎖PFCAsを規制。PFCAs単体としては製造等を禁止に。 |
2023年7月 | 欧州 | 化学物質管理規制(REACH規則) | 特定の目的でPTFE及びPVDFを規制。 |
2024年4月 | 米国 | 飲料水 | 法的拘束力のある飲料水基準値を最終決定。 PFOS・PFOAは4ng/L、PFHxS・PFNA・HFPO-DA(GenX Chemicals)は10 ng/Lに。 全米の公共水道システムに3年以内に飲料水中のPFAS量測定と情報公開を求め、基準を超えた場合、5年以内に削減対応を求める。 |
Eurofinsに依頼するメリット
1. 国内外の規制動向を踏まえて、いま何を分析すべきかをご提案
PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かし、国内外のPFAS動向やトレンドを常にキャッチ。動向を踏まえ「今何を分析すべきか」を含めてご提案させていただきます。
2. 採取前の調査検討から分析、分析結果を踏まえたアドバイスまで一括でお任せください
分析試料を採取する際は、その前にどのように調査するかを組み立てた上で採取することが必要となります。調査・分析の専門家が多数在籍しているので、分析だけでなく調査検討・採取・輸送・分析、そして分析結果を踏まえて今後どのような対策が必要なのか等、アドバイスまで一括でご対応させていただくことが可能です。
3. 最大44項目分析可能!納期が早く、コストを抑えた独自分析サービスもご用意
幅広い項目数に対応した分析法や、納期が早くコストを抑えた独自分析法など、お客様のニーズに合わせた分析サービスを提供いたします。
4. PFASのブランクが出ない採取器具を用いて調査
環境中のPFASは基準値が「ng(ナノグラム)」と低く定められており、クロスコンタミネーションに十分留意する必要があります。PFAS調査においてクロスコンタミネーションのリスクは採取時が最も高いとされており、細心の注意を払うだけでなく、採取時の道具の材質を限定する必要があります。弊社でブランクチェックした採取器具を用いて調査・分析させていただきます。
環境試料別 PFAS分析方法リスト
詳しい対象物質(項目)・下限値についてはお問い合わせください。
試料 | 分析方法 | 対象物質 | 下限値 |
水質 | 環水大水発第2005281号/環水大土発第2005282号 | PFOS/PFOA/PFHxS | 0.1~0.2 ng/L |
EPA 537.1 modified(ISO17025認定) | 22項目 | 2~4 ng/L | |
EPA method 1633(ISO17025認定) | 40項目 | 0.5~20 ng/L | |
ISO21675 | 30項目 | ||
迅速法 : Rapid Test(ユーロフィン日本環境独自メソッド) | PFOS/PFOA/PFHxS/PFHxA | 100 ng/L | |
土壌 | 土壌中の PFOS、PFOA 及び PFHxS に係る暫定測定方法 | PFOS/PFOA/PFHxS | 20 ng/L |
EPA Method 1633 | 40項目 | 0.2~4 ng/L | |
迅速法 : Rapid Test(ユーロフィン日本環境独自メソッド) | PFOS/PFOA/PFHxS/PFHxA | ||
排ガス | ユーロフィン日本環境独自メソッド | 35項目 | |
廃棄物 (活性炭等※) |
ユーロフィン日本環境独自メソッド | 35項目 | |
PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項 | PFOS/PFOA |
※製品によって活性炭は吸着する物質が異なるため、添加回収を行ったうえで対象項目を相談させていただきます。
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